運動しないとどうなる?sedentary behaviorの危険性【科学的根拠】

運動すると良いことがあるのは皆さん知っていると思います。

でも運動しない=sedentary behaviorの時間が長いと、どれだけ悪いことがあるんでしょうか。

この記事では、運動しないとどうなるか、科学的根拠を紹介します。

引きこもりが余儀なくされていますが、その弊害とは。

 

みんな1日に何時間くらい「運動していない」時間がある?

みんな1日に何時間くらい「運動していない」時間がある?

1日あたり、何時間くらい「運動してない」時間があると思いますか?

運動していない状態(sedentary behavior)」を科学的に定義すると、「1.5 METs以下の運動量」、となります。

具体的には、座ってたり寝ている姿勢をいい、ゲームや運転、読書などがsedentary behaviorに当てはまります(Int J Behav Nutr Phys Act. 2017;14(1):75.)。

 

平均1日あたりどれくらい運動してない状態で過ごすのでしょうか。

✔加速度計を使った日本人(平均64歳)の研究だと、1日7時間(加速度計装着してる14時間中の50%)をsedentaryに過ごしていると報告されています(J Epidemiol. 2018;28(5):260–265.)。

✔アメリカ人の研究でも、日中7.7時間(加速度計装着してる14時間中の55%)をsedentaryに過ごしているとされ、大体同じです(Am J Epidemiol. 2008;167(7):875–881.)。

 

日中7時間・・・意外に長くないですか?

 

 

自己申告では過小評価

科学的には、如何にして座っている or 休んでいる時間を測定するかが課題です。

もともとは自己申告で計測されていたのですが、最近携帯の加速度計とかで測定できます。

実際2020年に「自己申告 vs 加速度計」によるsedentary behaviorの評価能がメタ解析されており、自己申告ではだいたい1日1.7時間くらい過小評価すると報告されています(Int J Behav Nutr Phys Act. 2020;17(1):31.)。

 

自分で思っているより、長く座ってるんです。

 

 

運動しないとどうなる?

では実際sedentary behaviorの時間が長いとどうなるんでしょうか。

論文をみてみましょう。

 

死亡率

sedentary behaviorと死亡率

BMJ. 2019;366:l4570. Fig2を改変

・一番重要ともいえる報告は2019のメタ解析でしょう(BMJ. 2019;366:l4570.)。これは加速度計を用いて測定した活動度やsedentary timeと死亡率の関係をみたものです。36000人のindividual levelの解析なので信頼性は高いです。

図にあるように、sedentary timeは死亡リスクときれいに相関します。

間違いなく、sedentary timeは少ないほうがよい。

 

sedentaryと死亡率2

J Clin Med. 2019;8(4):564. Fig3を改変

・ほぼ同様のstudyから高齢者を対象とした研究をincludeした、こちらはindividual levelでないメタ解析を紹介します(J Clin Med. 2019;8(4):564.)。

こちらのほうがエビデンスの質が低いですが、面白い解析をしています。

見た目で、リスクが高くなるsedentary timeのカットオフを考察しています。

→妥当か微妙なラインですが、一応9時間くらいかと報告しています。

 

 

肥満、生活習慣病

・やや質の低いメタ解析ですが、sedentary timeが1時間増えるごとに、糖尿病リスクが5%、高血圧リスクが4%上昇すると報告されました(Diabetes Obes Metab. 2020;22(1):79–90.)。

→肥満リスクとの関係は直線的ではありませんでしたが、1日3時間以上のsedentary timeで肥満リスクが上昇しそうでした。

・8つの研究から6000人程度の子供〜若者を対象とした研究です。sedentary timeは、「中等度以上の運動時間で調整した場合(中等度以上の運動量が同じとして比較した場合)」肥満と有意に関係ありませんでしたPediatr Obes. 2020;15(1):e12578.)。

・20の研究のメタ解析ですが、ビデオゲームの時間とBMIに関連性は無さそうでした(Soc Sci Med. 2019;112325.)。

 

 

精神衛生

・sedentary behaviorの中でもmentally passiveなもの(テレビ鑑賞とか)はうつ病発症と関係あり、mentally activeなもの(パソコン、読書、運転など自発的になにかやっている状態)は関係ない、というメタ解析があります(Transl Psychiatry. 2020;10(1):26.)。

・sedentary timeと不安障害は強い関係がなさそうですが、質の高いエビデンスではありません(BMC Public Health. 2019;19(1):459.)。

・認知機能低下ともはっきりした関係は証明されていません(Aging Clin Exp Res. 2020;10.1007/s40520-019-01457-3.)。

 

 

まとめるとこんな感じです。

✔sedentary timeが長いと生活習慣病リスクが上がり、死亡率は高まる。

✔子供ではそうとも限らないかも。

✔そこまで精神衛生に関係無さそうだが、受動的なsedentary behaviorはよく無さそう。

 

 

続く引きこもり生活・・・どうする?

仕事がタクシーやオフィスワークで、しょうがなくsedentary lifestyleとなってしまう人がいます。

今はコロナのせいで、みんな自宅での引きこもり生活が長引いています。

 

紹介したように、sedentary lifestyleは、少なからず生活習慣病に関連します。

ただ、すごく強力な原因だとは証明されていません。

運動しないことより、運動することの方が重要だと考えられます。

今日本は外出禁止では有りません。元気な方が一人でマスクして外で運動するのは、全く悪いことではありません。

 

sedentary timeがどうしても長くなってしまう今の状況で、心がけることは以下の2つです。

運動する時間を作りましょう

受動的なsedentary behaviorはなるべく避けましょう

 

 

結論

sedentary timeが長いと生活習慣病や死亡率上昇に関連する可能性があります。

しかし運動すればある程度リバースできるかもしれません。

こんな状況ですが、ルーチンに毎日運動する時間を確保しましょう。

ではまた。

-運動etc

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