歩数の目標は?歩数と健康についての科学的根拠まとめ

1日1万歩歩くのが目標の方は多いと思います。でも、なぜ1万歩?それには根拠があるのでしょうか。そもそも運動の程度を歩数で測るのは妥当なのでしょうか。

実は歩数に関して、以前より様々な疫学研究が行われてきました。

この記事では、歩数と健康に関する科学的根拠をreviewし、歩数の目標とは何か考えました。

科学的根拠に基づいて運動・健康を意識することこそ、目指すべきライフスタイルです。

 

 

歩数の目標は1万歩。なぜ?

歩数の目標は1万歩。なぜ?

なぜ1万歩なのでしょう。考えたことあるでしょうか。

1万歩いくのは意識しないと難しい。1万歩はきりが良い。1万歩いったら達成感がある。こんな所が理由で1万歩を目指している方が多いのではないでしょうか。

しかし私は科学的根拠が好きなので、気になってしまいます。1万歩は正しい目標なのか?

 

運動すればするほどよいのは常識です。だから歩けば歩くほど良いのでしょう。でも社会人は普通歩ける・運動できる時間が限られています。だから現実的な目標を知ることは大事です。これを考えていきます。

 

*ちなみに運動強度という概念は非常に重要で、中等度以上の運動がガイドラインで推奨されており、一般的な歩行は中等度以上の運動にはカウントされません。なので歩けばOKとは言えません。運動強度に関しては後日科学的根拠を紹介します。ここでは歩数に絞ってエビデンスをみていきます。

 

 

歩数と健康に関する科学的根拠

さて、お得意のエビデンスを紹介します。

ここでは、重要なコホート研究とメタ解析を紹介します。

 

✔2013年に最も権威の高い医学誌Top3に入るLancetに発表された研究です(Lancet. 2014;383(9922):1059–1066.)。この研究では、40カ国から9300人程度のやや血糖の高い人(糖尿病でない)を集め、6年間での心血管疾患発症を検討したものです。参加時点での歩数と、参加後1年での歩数を記録しています。実は生活習慣への介入に関するランダム化試験なのですが、歩数はランダム化していない(できない)ので、コホート研究のように解析されています。

→参加時点での歩数と1年間での平均歩数の変化、というのを両方検証しています。結果、参加時点での歩数が2000歩多いほど10%ハザードが低く、1年後歩数が2000歩増加するごとに更にハザードが8%減りました。ハザードはリスク(発症率)ではないので解釈に注意が必要です(詳細こちら)。

→この研究から言えることは、「もともと歩数が多い人ほど心血管病リスクが低く、更に1年間かけて歩数が上がる人は更にリスクが下がる」ということです。

 

✔歩数と血圧の関連性をみたメタ解析です(J Hum Hypertens. 2018;32(12):814–824.)。

介入により2000歩歩数が増えると収縮期血圧4mmHg程度の低下につながりました。10000歩いったかどうかで違いはありませんでした

→つまり歩数が増えることが重要で、何歩歩けば良いという問題でない、という事を示唆しています。

 

✔2019年にこれまた重要な報告がJAMA Internal Medicineに発表されました(JAMA Intern Med. 2019;179(8):1105–1112.)。アメリカの高齢女性(平均72歳)16000人程度を4年以上フォローアップした研究です。

→2700歩以下と比較して4400歩で死亡率の低下が得られました。そしてそのメリットは7500歩くらいまで続き、7500歩以上はほぼ変わりませんでした。歩数を考えれば、歩くスピードは重要な因子ではありませんでした。

→この研究に使われた歩数計は、やや歩数を過小評価しがちかもしれません(Med Sci Sports Exerc. 2018;50(6):1315–1322.)。違うデバイスで測定すると8000〜8100歩となりえます。

 

✔非常に小規模の日本のコホート研究ですが、高齢者で歩数が多い人(8000歩以上)は少ない人(4500歩以下)と比較して死亡のハザードが半分程度でした(BMC Public Health. 2018;18(1):540.)。中之条研究という小規模のコホートでもQOLや骨の健康について同様の所見でした(Gerontology. 2009;55(5):523–531.)。

 

 

まとめるとこんな感じです。

・介入研究では、歩数が増えると予後が良いことが言えそうです。

・コホート研究では、歩数が多い人ほど死亡率が低く、おそらく8000歩程度でメリットがプラトーになることが示唆されています。

・日本人や男性についての信頼性の高いデータはありませんが、ある程度幅をもたせても10000歩歩かねばならない理由はなさそうです。

・歩く早さは大事ですが(別記事で説明します)、歩数さえ保てば重要な因子ではなくなりそうです。

 

 

じゃあどうする?

どうやって歩く?

1万歩というのは科学的根拠に乏しく、おそらく8000歩程度で十分ということのようです。メインのデータはアメリカ人の高齢女性なので、日本人や男性へ当てはまるかは不明です。が現存のエビデンスとしては、1日の歩数としてはこのあたりを目標にすればよいと思います。

そして、年を経るごとに歩数が増えることが非常に重要です。去年より今年、今年より来年、1日の平均歩数が上がるように生活を設計しましょう。何も考えないと、年々下がります。

 

*早歩きすると運動の負荷度合いが強くなるので、早歩きを心がけるのは理にかなっています。運動負荷量については後日解説します。

 

 

結論

歩数の目標としては、おそらく1日8000歩程度で良いでしょう。

年々歩数が増えるよう考えてやっていきましょう。

ではまた。

 

-運動etc

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