食事のバイオマーカーとは?

自分が何をどれだけ摂取しているか。

客観的に計測できるバイオマーカーがあったら便利ですよね。

この記事では、そんな「食事のバイオマーカー」とはどんなものか、どういう研究が進んでいるか、概説していきます。

 

 

食事のバイオマーカーとは?

食事のバイオマーカーとは?

食事を食べると、

→吸収されて血中にいき

→一部は組織に蓄積し

→一部は排泄されます:尿、汗、爪、毛などから。

このサイクルの中で、どこかから客観的な数値を測ったもの=バイオマーカー、なわけですね。

 

これがあって「正確なその食事の摂取量」がわかれば、何かと良いわけです。

今、ほとんどバイオマーカーは「栄養素の摂取量」に関するものです。

近年、凄まじい勢いで研究が行われている分野です。

 

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ただ、なんでもオッケーなわけではありません。

ビタミンCの摂取量をしりたいのに、血中のビタミンD濃度を計測しても、当然意味はないですよね。

「食事のバイオマーカー」たるには、以下の4つの性質を満たす必要があるのです。

 

✅摂取量に依存する

・当然ですが、バイオマーカーは真に食事を反映する必要があります。

・ただし、摂取量とバイオマーカーの相関関係は、かなり複雑な要因で定まります:

→その栄養素のbioavailability;どれくらい吸収、代謝、排泄される?など

ホメオスタシス:どういう平衡状態にあるか

その栄養素の摂取量が、対象とする集団でどれくらい個人差があるか:これを検知したいため

 

✅長期的な摂取量を反映する

・長期的な摂取量こそが健康と関連します。

→特に爪や毛のマーカーは蓄積量をよく反映します

・一方、短期的な変化も反映すると良いです:feeding studyで因果関係を検討できます

 

✅その栄養素に特異的か

・測りたいものを測れているか、ということ

→カフェインというマーカーでコーヒー摂取量は測れない、ということ

 

✅そのバイオマーカーの決定因子が他にもあるか

・遺伝因子や環境因子

→それがある場合、純粋に食事による変動は十分あるか?

・実際知りたい「食事摂取→病気発症」の関連性にバイアスが生じます

 

この他、当然「計測エラーが少ない」ということも重要ですね。

 

 

どういう研究が進んでる?

バイオマーカー、やっぱり定量的に計測できる点が、研究において非常に良い点。

しかも、凍結した検体を使って、過去の値を知ることもできる(その過程で値に変化がなければ)。

しかし、バイオマーカーの性質はそれぞれ違うし、何より多くの栄養素について良いバイオマーカーがないことが問題。

食事のバイオオマーカーは、使えるものとしては今のところ皆無です。

 

よって、多くの研究のfocusは「新しいバイオマーカーの発見とvalidation」にあり、

最近では、例えば「metabolomics」というアプローチが注目されています。

 

metabolomicsとは、色々な代謝産物を一気に(数百〜千)測定する方法。

色々なサンプルが使えますが、多くは血液と尿。

代謝産物は、当然何かしらの代謝の結果なので、食事に関わるバイオマーカーも中にはありそうです。

 

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例えば、「TMAO」というバイオマーカーが注目されています。

これは、赤肉という「食事(栄養素でない!)」のバイオマーカー!として考えられています。

なぜなら:

・赤肉に含まれるコリンやカルニチン

→腸内細菌でTMAに代謝され吸収

→肝臓でTMAOになる

という代謝経路が知られているから。

 

しかし、実はそんなによく摂取量を反映せず、特異的でない、ということを自分が示しています(この記事参照)。

バイオマーカーの発見は、なかなか難しいのです。

 

*なお、バイオマーカーの意義についてはこちらの記事も参照ください。

 

 

まとめ

食事のバイオマーカーと一言にいっても、様々な条件がある。

最近ではmetabolomicsのアプローチが話題。

ではまた。

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