食物繊維、なぜ健康に良いか【科学的根拠】

食物繊維は健康に良いと言われます。

でも食物繊維を1日どれくらい摂取しているか、普通わかりませんよね。なぜ/どう健康に良いかも曖昧かもしれません。

この記事では、科学的根拠に基づきこれらを解説し、食物繊維摂取量を増やすTipsを紹介します。

 

食物繊維の効果とは

食物繊維=体内で分解されない炭水化物です。分解されないので、そのまま排泄されます。

これが何故良いのかと言うと、以下のポイントによります:

・腸内に停滞することで砂糖やコレステロール、塩分を吸着し体内に取り込まれる量を減らす/ 吸収をゆっくりにする

→これにより糖尿病、脂質異常症、高血圧といった生活習慣病を予防する効果が考えられます。

水分を腸内に引き込んで便を柔らかくする

→便秘を予防します

腸内細菌、leaky gut症候群に良い影響を与えるかもしれません(絶賛研究中です)

 

これらが機序となります。

実際疫学研究では何が示されているのでしょうか。

 

 

食物繊維に関する科学的根拠

食物繊維と死亡率

Lancet. 2019;393(10170):434–445.

かなり信頼できる研究が2019年のLancetに出版されました(Lancet. 2019;393(10170):434–445.)。

世界中の185のコホート研究と58のランダム化試験のメタ解析です。なんとサプリメントデータが100ページ以上ある大作です。

かなり信頼できる報告ですので、少し細かくみます。

 

コホート研究のメタ解析結果ですが、食物繊維を取れば摂るほど、死亡率・心血管疾患・2型糖尿病の発症・大腸癌の発症が抑制されることがわかりました。1日25-29gとれば最大の健康効果が期待されます。

上の図の○はそれぞれのコホート研究の結果、○の大きさはその影響度合いを示しています。縦軸がリスク比、横軸が食物繊維の1日摂取量です。

→死亡率・糖尿病・大腸癌は面白い程はっきりした予防効果が認められました。

→心血管疾患については変な曲線になっていますが、よくみると大きい○だけを集めたら直線的な関係になりそうです(予防効果は少ないですが)。

グレーの幅は95%信頼区間を示しており、食物繊維の摂取量が多い部分は信頼区間が広い=効果がはっきり推定できていないといえます。

→結論、食物繊維を1日25-29gとれば、死亡率・心血管疾患・2型糖尿病の発症・大腸癌の発症リスクの20-30%低下と関連すということです。

 

ランダム化試験のメタ解析結果ですが食物繊維の摂取により体重・血中コレステロール・収縮期血圧の低下が認められました

ランダム化試験はフォローアップ期間が少ないため、死亡率などを比較することはできませんが、コホートより信頼性の高い因果関係を示唆します。

なぜコホート研究の結果に矛盾しない結果が確認されました。

つまり、食物繊維を食べることで死亡率や心血管疾患の予防につながるという因果関係が一貫して示されました。

 

・他の研究で、大腸憩室・憩室炎Nutrients. 2018;10(2):137.)や機能性便秘=何かの病気が原因でない便秘(Nutrients. 2019;11(1):91., J Pediatr (Rio J). 2018;94(5):460–470.)、乳癌Ann Oncol. 2012;23(6):1394–1402.)の予防にも効果があることが示唆されています。

 

一番大事なことは、食物繊維を1日25g以上とれば死亡率低下を含む様々な良い効果が期待できるということです。

生活習慣病や大腸癌の予防など、様々な効果が期待されます。

 

 

食物繊維、どれくらい摂ってる?

厚生労働省の報告によると、日本人成人は平均1日15gしか摂取していないようです。

推奨摂取量は20g程度と低いですが、これは「1日24g以上が理想だが、実際の1日15gとの間をとって20g」と定めたそうです。

摂りすぎても悪いことはないですが、意識しないと食物繊維20gは摂れません。

 

自分がどれだけ食物繊維を摂っているか計算が難しいことは大きな問題だと思います。

アプリもいくつか出てきていますが、何らかの方法で「普段どれだけ食物繊維を摂っているか」わかれば、行動変容に繋げられる気がします。特に、健康意識の高い方は。

でも今の所難しいので、どう効率よく摂取するか、Tipsを提示したいと思います。

 

 

食物繊維の効果的な摂取法

どう食物繊維を摂取するか

バナナはとても良い食物繊維源

 

食物繊維をたくさん含む食物は、野菜果物全粒穀物豆類きのこです。

このブログで何度も書いていますが、ルーチンとして定期的に摂取しないと、健康効果は得られません。一時期鬼のように食べても、その後食べなくなってしまっては駄目です。

定期的に摂取するためどうすればよいか、いくつかTipsを提示したいと思います。

 

<Tips>

主食を全粒穀物にする。白米しか食べない方は、50%玄米入れる。白い食パンを茶色い食パンにする。パスタやシリアルも同様。これは毎日食べるので、影響が大きい。

・フルーツジュースの代わりにフルーツを食べる。100%でもジュースにしてしまうと、食物繊維としての炭水化物が代謝される炭水化物(=砂糖)となってしまうので、良くない。

スナックや甘いお菓子をやめて、豆菓子(できれば甘くないもの)を食べる。

・ちなみにあんこは、こしあんの方が粒あんより食物繊維が多い。

・自炊するときは、切り干し大根やほうれん草、かぼちゃ、納豆などの小皿をつける。

・おかずにきのこ類を加える。しいたけ、えのき、まいたけ、ぶなしめじ、何でも良い。

 

どうやるのがimplementationが高いかは人によると思います。

どうやって生活習慣を変容できるか、考えてみましょう。

 

 

最後に注意

腸の器質的な狭窄(=病気が原因で内腔が狭くなっていること)がある場合、食物繊維の摂取はイレウスの原因となってしまうので、避けるよう指示されます。

その原因となる疾患は機械性イレウス、大腸癌、クローン病、潰瘍性大腸炎など。

消化器内科の先生に聞いてみて下さい。

 

 

結論

野菜・果物・全粒穀物・豆類・きのこを食べて、1日25-29gの食物繊維を摂れば、死亡率・糖尿病罹患・大腸癌罹患リスクの低減につながります。

ではまた。

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