グルテンフリーダイエットの科学的根拠まとめ

グルテンフリーダイエット、最近流行ってますね。テニス選手のノバク・ジョコビッチがセリアック病のためグルテンフリーの食事を摂っていることから、自分の周りでグルテンフリーを始めた人もいました。

グルテンアレルギーでない人がグルテンフリーとすることで、どういうメリット・デメリットがあるのでしょうか。果たしてやる意味があるのか。

この記事では、そんなグルテンフリーダイエットの科学的根拠を紹介します。

 

*ちなみに、英語での‘グルテンフリーダイエット’とは、グルテンフリーの食事法を指し、いわゆるダイエット法(減量を目的とする)で無いことに注意。この記事もグルテンフリーの食事法の説明です。

 

 

グルテンフリーダイエットとは?

グルテンフリーダイエットとは

グルテンとは、小麦、大麦、ライ麦に自然に含まれるタンパク質です。実際は、これら麦から作られるパンやお菓子、麺だけでなく、多くの加工食品、醤油やソース、冷凍食品にもグルテンが含まれています。グルテンは粘り気があるため、くっつけて形を保つ効果があるためです。

これらを避ける食事法が、グルテンフリーダイエットです。

 

巷で言われているグルテンフリーダイエットとは、パスタ・パン・シリアル・お菓子を止める事を意味することが多いです。

これはグルテンに関してはあまり厳密ではありませんが(他にも色々な食物がグルテンを含む)、この方法で精製穀物砂糖を避けることができるので、減量効果が期待されます。

でも全粒穀物も避けることとなるので、これが問題になってきます(後述)。

 

厳密にグルテンフリーダイエットとする事は難しいのです。

もともとグルテンフリーダイエットは、グルテンを食べられない人のための食事法です。

 

 

グルテンを食べられない人とは?

簡単に言うとグルテンにアレルギーのある方となります。卵アレルギーの方が卵を食べられない事と同じですね。

重症度等に応じて、いくつかの型が知られています。

 

グルテンアレルギーの重症型=セリアック病という自己免疫疾患です。

・グルテンを摂取すると栄養失調や消化器疾患を発症します。

・アメリカ人の1%弱程度がこの病気だそうですが、日本人では稀です。

・ノバク・ジョコビッチ選手もこれです。厳密なグルテンフリーダイエットとする必要があります。

✔やや軽症なのがグルテン感受性腸症(グルテン不耐症)です。

・セリアック病までいかないが、グルテンを食べると調子が悪くなる方を指します。

麦アレルギーは、麦中のなにかのタンパク質(グルテンやアルブミン)に対する即時型アレルギーを意味します。

・この場合は麦を使ったあらゆる食事を避けるべきです。

疱疹状皮膚炎という病気は、主にグルテン摂取により生じる皮膚病変です。

・セリアック病は主に消化器症状で、セリアック病と合併する場合もしない場合もあります。

・この場合もグルテンを避けるべき。

 

 

グルテンフリーダイエットは健康的か?

グルテンフリーダイエットは健康的か

上記のようにグルテンに感受性が高い人は、グルテンフリーダイエットによる恩恵が十分期待されます。

問題は、そうでない人がグルテンフリーダイエットとする意味がどれほどあるか、という点です。

疫学研究として十分に検証されていえるとは言えませんが、いくつかエビデンスを紹介します。

 

・グルテンフリーダイエットとしている人は、食物繊維、鉄、カルシウムなどが不足している状態にあると報告されています(J Am Diet Assoc. 2008;108:661-672.

・セリアック病でない人において、グルテンフリーダイエットは全粒穀物摂取の低下と関連し(当たり前です)、心血管疾患リスクが高いことがコホート研究で示されています(BMJ. 2017;357:j1892.)。

*全粒穀物の摂取量が多いほど、糖尿病、脳卒中、死亡率が低いことが一貫して示されていることも知っておきましょう(詳細こちら)。

・グルテンフリーダイエットが体重増加と関連することが示唆されています(J Acad Nutr Diet. 2012;112(9):1330–1333.)。グルテンフリーであっても、健康に悪い食事があり(下記参照)、その影響かと考えられています。

 

要約すると、驚くなかれ、グルテンフリーダイエットは生活習慣病・いくつかの栄養素が不足する状態・肥満のリスクを増やすことが示唆されているのです。

 

 

グルテンフリーダイエットの注意点

主な注意点が2つあります。

 

✔グルテンを含む全粒穀物が摂取できないことに注意が必要です。全粒穀物は、食物繊維・ビタミンB群・マグネシウム・カルシウム・鉄分等を含み、非常に健康に良いです。これらを不足しないよう心がけることが重要です。

ちなみに、玄米、キヌア、オーツは自然にはグルテンを含まない全粒穀物とされます。

 

グルテンフリーの加工食品というものも売られています。グルテンフリークッキーやチップスなど。これらは砂糖・塩分・飽和脂肪酸を含む、健康に悪いものです。グルテンフリー=健康に良いというわけではありません

 

健康のためにグルテンフリーとする科学的な根拠はあまりありませんが、もしやりたい方は、これらを必ず認識しておきましょう。

 

 

結論

グルテンフリーダイエット=健康に良い、というわけではありません。

グルテンフリーダイエットにより全粒穀物の摂取が制限されること、グルテンフリーであっても加工食品は健康に悪いことは必ず認識しておきましょう。

ではまた。

-食事と健康

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