緑茶が日本人の健康の要【科学的事実】

世界的長寿、日本人の健康の要は間違いなく緑茶でしょう。

自動販売機が普及しているおかげもあり、水のかわりにお茶を飲みます。こんな国ありませんよね。

緑茶が体に良いとはよく言われますが、「緑茶パックは健康に悪い」だの、「緑茶を長時間放っておいて茶色くなると健康に悪い」だの、様々な説も飛び交っています。

この記事では、科学的根拠に基づいた緑茶の健康効果を紹介します。

 

*コーヒー紅茶は、違う記事でその健康効果を解説しています。

 

 

緑茶の健康効果まとめ

緑茶の健康効果まとめ

 

網羅的に、緑茶の健康効果を紹介します。緑茶は日本の飲み物なので、日本人のエビデンスが豊富です。

 

<死亡率、心血管病>

信頼性の高い、日本人の研究がありますEur J Epidemiol. 2019;34(10):917–926.)。

✔10個のコホートのメタ解析ですが、それぞれのコホート全ての参加者のデータを合わせた信頼度の高いメタ解析です(結果日本人30万人を17年間追跡したコホート研究となります)

✔緑茶をほとんど飲まない人と比較し、1日5杯以上の飲む人は、全死亡率、心血管疾患による死亡率、脳卒中による死亡率が10-25%程度減りました

✔緑茶のこの効果は、特に女性に強く認められました。

✔肺疾患(肺炎や肺気腫)による死亡率は、緑茶をたくさん飲む人が顕著に低い(30%以上低い)結果となりました。

✔癌による死亡率は、女性にのみ有意に低くなる傾向が見られました。

→コホート研究が内包するlimitationはありますが、この結果は非常に信頼するに足る、日本人のデータです。

 

その他大事な研究です。

烏龍茶も同じくらいの効果がありそうです(J Epidemiol Community Health. 2011;65:230-40.)。心血管疾患による死亡率を比較した日本人の8万人のコホート研究です。

日本人の脳卒中予防にも効果がありそうです(Stroke. 2013;44(5):1369-74.)。1日2-3杯以上で効果ありです。

✔少なくとも短期的には、血圧を下げる効果がありそうです(Medicine (Baltimore). 2020;99(6):e19047.)。

 

<炎症、脂質>

緑茶に抗炎症作用があるのか、という問いに直接的に答えた研究があります(Phytother Res. 2019;33(9):2274–2287.)。

→緑茶は抗炎症作用が無い(炎症のマーカーを下げない)、という結論です。

 ※これは17個のランダム化試験のメタ解析で、研究デザインとしては信頼性が高いです。が、結局解析対象の人数は少ないことと、緑茶による介入の期間が2-12週間とバラバラなこと、研究間のheterogeneityが高いことなど、メタ解析の信頼性はやや低いかもしれません。

 ※糖尿病患者ではCRPを下げることが8つのRCTメタ解析で示唆されています(Complement Ther Med. 2019;46:210–216.

✔緑茶はおそらくLDLコレステロール(悪玉コレステロール)と血圧を低下させる機能がありそうです(Mol Nutr Food Res. 2018;62(1):10., Cochrane Database Syst Rev. 2013;(6):CD009934)。

→これらのサロゲートマーカーへの作用は、心血管疾患抑制効果を仲介する大きなものだと考えられます。

 

<癌>

・2019年のUmbrella review[メタ解析のメタ解析]によると、Teaにより胃癌、口腔がん、肺癌、胆管がん、甲状腺がん、卵巣がん、白血病、グリオーマの予防効果が(信頼度高く)ありそうです(Eur J Epidemiol. 2015;30(2):103–113.)。緑茶は更に子宮体がんと食道癌の予防効果がありそうです。

・胃癌の抑制効果は、1日6杯以上、もしくは25年以上とたくさん緑茶を飲むことが必要そうです(Public Health Nutr. 2017;20(17):3183–3192.)。

・乳がんも減らすかもしれません(Int J Food Sci Nutr. 2020;1–12.)。

・1日7杯以上飲めば前立腺癌発症低下に関連するかもしれませんが、メタ解析の質は低いです(Medicine (Baltimore). 2017;96(13):e6426.)。

・肝臓がんのリスク低下にも寄与するかもしれません(Nutr Cancer. 2017;69(2):211–220.)。

 

<その他>

・空腹時血糖を抑えるかもしれません(Nutrients. 2018;11(1):48.)。特に、55歳以下のアジア人にこの効果が顕著でした。

・骨粗鬆症、骨折リスクを低下させるかもしれません(Medicine (Baltimore). 2017;96(12):e6437.

・緑茶は尿酸値上昇と関連するというメタ解析もありますが、かなり信頼性は低いです(BMC Musculoskelet Disord. 2017;18(1):95.

 

まとめると、緑茶をたくさん飲むことで色々な疾患を予防し死亡率が低下する、と言えそうです。

 

 

緑茶に関する様々な噂を検証する

いろんな噂の科学的根拠を考えてみました。

 

「緑茶パックは健康に悪い」

→何の根拠か不明。

・緑茶パックだって緑茶です。

 

「ペットボトル入りの緑茶は危険」

→酸化防止のために添加されている(合成)ビタミンCが発がん性があると主張します。

・合成であろうがなかろうがビタミンCはビタミンCで、ビタミンCに発がん性があるなんて....。

・ビタミンCのサプリでがん予防効果があるかがたくさん試験されているくらいです(Korean J Fam Med. 2015;36(6):278–285.)。結局予防効果はなさそうですが。発がん性があるなら倫理的にこんな研究はされないわけです(し、そもそも売り出されているサプリメントが発売禁止になるに決まっています)。

 

「緑茶を長時間放っておいて茶色くなると健康に悪い」

→緑茶の成分であるカテキンなどが酸化するため、緑茶を作ってしばらくすると茶色くなります。

・味も渋くなり、ちょっと不味くなるので、味の面では作ってすぐに飲んだほうが良いです。

・健康効果はアンケートを用いた疫学研究で確かめられますが、「週何回酸化した緑茶を飲んでいますか」みたいなアンケートはされません。なので、酸化した緑茶の健康効果を確かめることはできません。

。一方「緑茶を週何回飲んでいますか」という質問への回答には、酸化した緑茶もカウントされています。酸化した緑茶を含めて、’緑茶’として健康効果が確かめられているので、別に気にしなくて良いと思われます。

・そもそも、数百回酸化した緑茶を飲んでも、健康に影響することはまずありません。定期的に長期間、たくさん飲むことで、ようやく健康効果というものは認められます。栄養素的にはカテキンが酸化する前に飲んだほうが良いのは間違いないですが、そんな些細な違いで健康効果には影響しないでしょう。

 

「お茶のタンニンが鉄吸収を阻害する」

→タンニンが鉄吸収を阻害する、ということは正しいようです。

・しかし、ヒトの疫学研究でタンニン摂取による鉄プロファイルの変化は立証されていません(Curr Dev Nutr. 2017;1(2):1–12.)。

→鉄プロファイルとは、血清鉄、貯蔵鉄、鉄結合能の値を意味します。長期間フォローした動物実験でも、タンニンと鉄の関係は立証されていません。仮に影響があるとしても無視できるほど些細な問題だろう、と言えそうです。

※しかし鉄欠乏性貧血の方が無理してお茶を飲む必要はないとも言えます。ストリクトに避ける必要もありません。普段どおりでOKでしょう。鉄欠乏性貧血の方がすべきことは、鉄剤の摂取です。

 

 

結論

緑茶は飲めば飲むほど健康に良い。

ではまた。

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