低炭水化物ダイエットの科学的根拠まとめ

低炭水化物、糖質制限、ケトジェニックダイエット・・・。世の中には様々な種類のダイエット法があります。実は、これらダイエット法の効果は疫学研究で検証されています。科学的根拠として、実際に効果があるのでしょうか。

この記事では、様々な低炭水化物ダイエットについての概説と、低炭水化物ダイエットの科学的根拠についてまとめました。それぞれの低炭水化物ダイエット法(本文参照)については、この記事からリンクします。

 

低炭水化物ダイエットまとめ

低炭水化物ダイエットまとめ

低炭水化物ダイエットとは、文字通り、炭水化物の摂取量を減らすこと=糖質制限を意味します。定義は完全に定まっているわけではなさそうですが、総摂取量カロリーの内炭水化物が占める割合が40%以下ならmild low-carbohydrate dietとされる事が多いようです。研究では、20%以下としているものが結構あります。

 

低炭水化物ダイエットといっても、実は種類があります。何故種類があるかというと、1) 炭水化物に種類があるから、2) 炭水化物以外のものをどれくらい摂取するかにバリエーションがあるから、です。科学的に検証されている種類のダイエットを紹介します。

・ケトジェニックダイエット

・アトキンスダイエット

・パレオダイエット

・Glycemic index, Glycemic loadという基準で低炭水化物食を定義することもあります

 

詳細は後日、それぞれリンクします。

 

 

低炭水化物ダイエットの効果

非常に多くの研究で低炭水化物ダイエットの効果が検証されています。注意点は、上述のように低炭水化物ダイエットといっても種類があり、それぞれ効果が異なることが考えられる点です。ここでは、低炭水化物ダイエット一般として科学的根拠を紹介します。

 

死亡率

・コホート研究のメタ解析ですが、重要な報告があります(Lancet Public Health. 2018;3(9):e419–e428.)。

単純に炭水化物の摂取量だけをみると、総カロリーの40%以下(低炭水化物)は死亡率増加に繋がりました(HR 1.2)。炭水化物摂取量が多くても(70%以上)、死亡率増加が認められました(HR 1.23)。

低炭水化物ダイエット群について、炭水化物の代わりのカロリーが動物由来の脂肪・タンパク質の場合は高い死亡率と関連しましたが、植物由来のものの場合は低い死亡率と関連しました。

 

・2020年に、重要なコホート研究がハーバードから出版されました(JAMA Intern Med. 2020;10.1001/jamainternmed.2019.6980.)。4万人弱のアメリカ人を対象とした研究ですが、低炭水化物でも低脂質でもそれ自体は死亡率とは関連がありませんでした重要なのはその内容で、質の良いタンパク質などで置換した場合は死亡率低下、質の悪いものでは死亡率増加と関連しました。

 

つまり、一概に低炭水化物ダイエットとして死亡率とは強く関連しませんが、炭水化物の代わりに何を摂取するかが最も重要な因子だ、ということです。

 

体重・血圧・コレステロール

・ランダム化試験のメタ解析ですが、低炭水化物ダイエット(カロリーの40%以下)は、普通食と比較し、中性脂肪と体重が減り、HDLコレステロールが増えると報告されました(PLoS One. 2020;15(1):e0225348.)。LDLは増える傾向にありました。この中で、中性脂肪と体重が減ることは、割と信頼できる結果と考えられます。

 

・有名なランダム化試験ですが、低炭水化物ダイエットは最初の半年は6-7kgくらいの体重減少が認められましたが、1年後には有意差がありませんでしたN Engl J Med 2003;348:2082-90.)。この試験はかなり小規模なので、サンプル数を増やせば1年後にも体重が減っている傾向が認められそうですが。重要な点は、6ヶ月→1年の時点ではちょっと体重が増えるということと、継続率が極めて低いことです。ランダム化試験に参加して報酬をもらいつつも、40%が1年間継続できませんでした

 

・違う有名なランダム化試験です(JAMA. 2005;294(19):2455-2464. )。これは低炭水化物ダイエットではないのですが、炭水化物の一部を植物由来の良い脂肪・タンパク質にかえて摂取することで、血圧とLDLコレステロールを下げる効果があることが示されました。

 

・肥満の方を対象とした、低炭水化物ダイエットと低脂質ダイエットの比較です(Nutr Rev. 2019;77(3):161–180.)。ランダム化試験のメタ解析結果ですが、低炭水化物ダイエットの方がLDL・HDLに良い影響がありました。ただ、大した差ではありませんでした。より質の高い研究がないと、どちらが良いかは判断できません。

 

血糖

・糖尿病学会のコンセンサスレポートで、低炭水化物ダイエットは血糖値とHbA1cを下げて糖尿病薬の必要性を少なくする、と言われました(Diabetes Care 2019;42(5):731–54.)。

 

その他

・脂肪肝について、カロリー制限と比較して低炭水化物ダイエットが良いという、はっきりしたエビデンスはありません(Clin Nutr. 2019;38(5):2023–2030.)。

・糖尿病患者において、腎機能ともあまり関連しなさそうです(Diabetes Metab Res Rev. 2018;34(7):e3032.)。

 

★まとめると、体重減少や血糖改善などの効果は短期的にはありそうですが、継続率が低く、かつ一概に健康に良いとは言えなそうです。減らした炭水化物を、質の良いタンパク質・脂質に置換することが重要な点です。

 

 

低炭水化物ダイエットの注意点

最も重要な点は、ビタミン・ミネラルなどのmicronutrientを不足しないように摂取することです(Obes Rev. 2018;19(12):1700–1718.)。植物由来のタンパク質・脂質を心がけて摂ることで、micronutrientを不足しにくいようにすることができます。

副作用です。質のやや低いメタ解析ですが、低炭水化物ダイエットの副作用として便秘、頭痛、(ケトーシスによる)口臭、こむら返り、脱力感を挙げています(JAMA 2014; 312: 923–933.)。

あとやっぱり継続が問題です(JAMA. 2013;310(7):687–688.)。この ‘A Call for an End to the Diet Debates’ という論文で、筆者らは “何ダイエットが良いかじゃなくてそれを継続できるかのほうが遥かに重要だ” と訴えています。まさにその通りと思います。

食事の内容を考え始めたら複雑で、きりがありません。だいたいどのような食事が健康に良いのかを知って、自分が継続できる食事法を行えばOKと思います。

 

結論

低炭水化物にすれば体重は減りますが、継続が難しいです。

低炭水化物とした代わりに、植物由来の質の良いタンパク質・脂質を摂ることが重要です。

ではまた。

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