ナッツの健康効果を科学的解説

ナッツは健康食品として位置づけられることが多いですが、カロリーも高いため、食べすぎは良くないともよく言われます。実際どれくらい食べた方が良いのでしょうか。

この記事では、ナッツの健康効果について科学的見地から解説します。「ナッツを食べすぎても大丈夫か」「ピーナッツバターでもOKか」「最高のナッツは何か」といった疑問にも科学的に答えます。

ナッツの科学的な健康効果を知り、食事に積極的に取り入れていきましょう。

 

 

ナッツの健康効果を栄養学的に解説!

ナッツの健康効果を栄養学的に解説

 

ナッツは、不飽和脂肪酸を多く含んでいます。(シス)不飽和脂肪酸は、健康に良いことが証明されています(詳細こちら)。

特にクルミはオメガ3脂肪酸を含んでいます。オメガ3脂肪酸は、不飽和脂肪酸の中でも特に健康に良いことが示唆されています。

ナッツは質の良い脂肪源なのです。

この栄養素の観点で、ナッツを摂取する意味があります。

 

しかし、栄養素=食品ではありません。

良い栄養素を含んでいるから健康に良い、とは一概に言えません(詳細こちら)。これは大事なポイントです。

ナッツの健康効果は、ナッツの摂取量を調べた研究で証明されます

 

 

ナッツの健康効果に関する科学的エビデンス

ナッツに関する、最新の疫学研究を紹介していきます。

 

心血管病

2019年スペインで実施されたメタ解析です(Nutr Rev. 2019;77(10):691–709.)。19のコホート研究がまとめられています。それぞれの研究ごとの、「最もナッツを食べている群と最もナッツを食べていない群」を比較しています。フォローアップの期間も、4.3年〜28.7年とバラバラです。

 

結果、ナッツをたくさん食べている人は食べてない人と比べ、

心血管病発症率が15%低かった

心血管病で死亡する率は23%低かった

脳梗塞による死亡率は17%低かった

 

GRADEという指標で結果の信頼度で評価すると、「心血管病で死亡する率」は信頼できる結果でした。

 他は必ずしも信頼できるとは限らない結果でした。

 

よってナッツをたくさん食べている人は食べない人と比較し、心血管病で死亡する率は低くなると言えそうです。

 

2015年にアメリカのメイヨークリニックで実施された研究です(Nutr Rev. 2015;73(7):409–425.)。36のコホート研究、症例対照研究がまとめられています。

 

結果は、ナッツをたくさん食べている人は食べてない人と比べ、

癌全体の発症が15%抑えられた

大腸癌の発症が23%抑えられた

直腸癌の発症が24%抑えられた

卵巣癌の発症が42%抑えられた

・他種類の癌については、効果は有意でありませんでした

 

ナッツ癌発症についても抑制効果がありそうです。

 

2型糖尿病

同じ、2015年にアメリカのメイヨークリニックで実施された研究です(Nutr Rev. 2015;73(7):409–425.)。5つの研究が糖尿病についてみています。

結果はリスク比0.98で、糖尿病発生に対して有意な効果はありませんでした

 

 

ナッツ食べすぎは注意か?

ナッツ食べすぎは注意か

 

ナッツは多くのカロリーを含んでいます。食べすぎると太るのはreasonableの気がします。

でも、ナッツでお腹いっぱいになれば他の食事摂取量も減はずです。

科学的にナッツは肥満に寄与するのでしょうか?

 

33のランダム化研究のメタ解析が2013年に出版されています(Am J Clin Nutr. 2013;97(6):1346–1355.)。

結果は以下のようでした。

 

✔体重は、平均 -0.47 kg; 95% CI: -1.17, 0.22 kg

✔BMIは、平均 -0.40 kg/m2; 95% CI: -0.97, 0.17 kg/m2

✔胴囲は、平均 -1.25 cm; 95% CI: -2.82, 0.31 cm

全て有意差なし。感度分析でも同様でした。

 

2019年のコホート研究のメタ解析では、ナッツ摂取は内蔵肥満のリスク低下と関連することが示唆されています(Adv Nutr. 2019;10(2):205–218.)。強く信頼できる結果ではありませんが。

 

以上より、科学的にはナッツ摂取は体重増加と関連しないことが示唆されました。

あくまで平均の影響なので、個人差はあると思いますが。

 

 

最高のナッツとは?

どのナッツが一番健康に良いのでしょうか?

2つ研究を紹介します。

 

2017年のハーバードのコホート研究です(J Am Coll Cardiol. 2017;70(20):2519–2532.)。20万人以上を20年以上フォローしました。

「ナッツを週2回以上食べる人」と「ナッツをほとんど食べない人」の、心血管疾患罹患リスクを比較しています。

結果、

✔ピーナッツでは13%のリスク低下

✔木の実(いわゆるナッツ)では15%のリスク低下

✔くるみでは19%のリスク低下

 

→よって、くるみが最高に健康に良いナッツかもしれないと示唆されました。

 

木の実、ピーナッツ、大豆の血圧低下効果を比較した、ランダム化研究のメタ解析です(Am J Clin Nutr. 2015;101(5):966–982.)。

 

✔ナッツは糖尿病でない人の収縮期血圧を下げる効果がありました。

✔ピスタチオが特に強い効果が見られました。

 

効果といっても血圧1mmHg程度の変化なので、大した影響ではなさそうですが。

 

 

ピーナッツバターは健康的か?

ピーナッツバターは健康的か?

ナッツは食べないけどピーナッツバターは食べる、という人は結構いるかもしれません。

もしピーナッツバターでナッツが代用できたら、楽ですね。

科学的根拠はあるのでしょうか?

 

・上述のハーバードの研究によると(J Am Coll Cardiol. 2017;70(20):2519–2532.)、ピーナッツバターの消費は心血管病発生と関係がありませんでした

・2015年のコホート研究のメタ解析では、ピーナッツバターは死亡率と関係ありませんでした(Int J Epidemiol. 2015;44(3):1038–1049.)。

 

残念ながら現時点で、ピーナッツバターは健康に良いとは言えませんでした

 

 

結論

ナッツの健康効果はかなりはっきりしています。様々な研究で一貫して示されています。

よく効く薬のレベルです。

肥満もあまり気にする必要ないかもしれません。

是非、おやつにナッツを食べましょう。ピーナッツバターでなく。

ではまた。

-食事と健康

Copyright© Riklog – 信頼できる医療知識 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.