カリウムの効果と摂取の注意点【科学的根拠まとめ】

ビタミン・ミネラルシリーズ第13段、カリウムです。カリウムの注射で死亡することは、非常によく知られた事実です。カリウムを摂れば塩分摂取を相殺する、とも巷で言われています。真偽のほどは・・?

この記事では、カリウムの効果と摂取の注意点について、科学的見地から解説します。

 

カリウムの効果

カリウムの効果摂取不足による害、過剰摂取による害、推奨範囲内で多めに摂る健康効果を分けて考えましょう。

ちなみに、単位はmgです。1日の推奨摂取量(目標)は、成人男性は3000mg、女性は2600mgです。

 

摂取不足による害

不足すると、低カリウム血症となります。日常生活では、1日400-800mgは最低必要なようです。このくらいは普通食事から摂取しています。

しかし、高齢者・神経因性食思不振症・アルコール依存症・利尿薬使用者等に、低カリウム血症はそれなりに見ます。胃腸炎の場合最も注意すべき合併症の一つです。

摂取不足により低カリウム血症となると、倦怠感、こむら返りなど生じます。重篤な場合は致死的な不整脈を発症しますが、普通そこまでなる前に病院に来ます。外来では普通にカリウムの内服薬を処方されます。

 

過剰摂取による害

健常者は基本的にありません。腎機能障害がある方だと、カリウムが正常に排泄されないため、カリウム過剰摂取により高カリウム血症を呈しえます。これも重篤な場合致死的な不整脈を発症しますが、腎機能障害がある患者は医療機関で高カリウム血症とならないよう管理指導されます。

つまり健常者はあまり過剰摂取による害を考える必要ありません

 

推奨範囲内で多めに摂る健康効果

カリウム摂取は高血圧と脳卒中を予防する事が示唆されています。

<科学的根拠>

・ランダム化試験のメタ解析ですが、カリウムのサプリメントにより血圧低下が認められると結論されています(Int J Cardiol. 2017;230:127–135.)。まあまあ質の高いメタ解析です。おそらく、カリウムを摂取することで血圧が下がると言えそうです。ちなみに血圧低下効果は高血圧患者により著明のようです(J Hypertens. 2015;33(8):1509–1520.)。

・コホート研究のメタ解析ですが、カリウム摂取により脳卒中リスク低下と関連することが報告されています(J Am Heart Assoc. 2016;5(10):e004210.)。1日3500mg程度の摂取で最も予防効果が得られるかもしれません。

・塩分摂取は高血圧と関連します(詳細こちら)。コホート研究のメタ解析ですが、塩分摂取量より、食事中のナトリウム/カリウム比の方が脳卒中リスクを強く予測できると報告されています(Clin Nutr. 2019;38(3):1092–1100.)。メタ解析の質は低いですが。

DASH食(Dietary Approaches to Stop Hypertension diet)という高血圧予防のための食事は、低ナトリウム、高カリウムの食材で構成されます。この食事法により、収縮期血圧7-8程度の低下が見込まれそうです(Hypertension. 2016;67(4):733–739.)。ランダム化試験のメタ解析です。

・ちなみに、カリウム摂取により心拍数には影響しなそうです(Nutr Metab Cardiovasc Dis. 2016;26(8):674–682.)。血圧が下がるが、心拍数は変わらない。

 

カリウムのサプリからの摂取は推奨されません。これはおそらく次の理由によります。

・もし腎機能障害があった場合、高カリウムの原因となり、高カリウム血症は致死的な不整脈を起こすことがある

・その危険性のため、サプリのカリウム含有量はとても少なく、意味がない(ランダム化試験のサプリの量は1日1-2g程度ですが、市販されているサプリは100mgとかです)

・カリウムをサプリから摂っても、「カリウムを含む健康的な食事」のそれ以外の効能は得られない

サプリよりバナナの方が数倍カリウムを含む

・低カリウムの方は、普通医療機関受診し、医者からカリウム製剤が処方される

 

ちなみに臨床上、低カリウムに経口のカリウム製剤を投与しても、腎機能が正常だとカリウムはなかなか上がりません。私はカリウム600mg製剤を1日2回からスタート、4回にアップとかよくやっていますが、それくらいすると上がります。でもだいたい定常状態となります。

 

カリウム、どうやって摂取する?

バナナが最強です。バナナは1本でカリウム500mgくらい含みます。腎機能障害の方にはバナナは必ず避けるよう指導します。さつまいも、じゃがいも、すいか、いちご、ほうれん草もたくさんカリウムを含みます。

だいたい、生野菜、いも、果物はカリウム含有量が多いです。肉や魚にも含まれています。普通に生活すればカリウム不足になることはありませんが、食事からカリウム摂取量を増やすメリットはありそうなので、積極的にこれらを食べるようにしましょう。

 

結論

カリウム摂取は血圧を下げ脳卒中リスクを下げることが示唆されています。

サプリでなく、食事からカリウムを摂りましょう。

ではまた。

 

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