白米は本当に健康に悪いのか?【精製穀物の真実】

全粒穀物は健康に良い、精製穀物は健康に悪い、というのが、最近の栄養学の常識です。これらは炭水化物の源で、普段からよく食べるものなので、とても大事な情報です。一方、極端な人は、「白米を食べるなんて砂糖をそのまま食べるようなものだ!」なんて発現し話題を呼んだりします。が、精製穀物は本当に健康に悪いのでしょうか?悪いとしたらどの程度?(全粒穀物と健康の関連

この記事では精製穀物の健康効果について理解を深めます。この記事を読むことで、普段食べる白米について科学的な知見が得られ、その上で哲学的に意思決定することができるようになります。

精製穀物とは

精製穀物とは

精製されていない穀物(全粒穀物)と比較し、精製穀物とは、白米、パスタ、(白い)パン、うどん、餅などを指します。全粒穀物は栄養価が高く(栄養素の観点で健康効果を言うのは注意が必要ですが)、精製穀物は血糖値を上げやすく健康に悪い、と言われています。

でも、日本人はみんな白米を食べてきて、世界一の長寿を達成しているわけです。「精製穀物は健康に悪いエビデンスがある」と言われても、実感できないのではないでしょうか?少なくともアメリカに行ったことがあれば、日本人の体型がめちゃめちゃスリムであることは一発でわかります。本当に白米は健康に悪いのか?

精製穀物(例えば白米)と健康について語りたい場合、世界的なエビデンスと日本人でのエビデンスを両方知っておくことが必要です。総じて、現段階での食事に対する意見が形作られます。これらを知らずして食事を語ることは、ペーパードライバーが色んな車の良し悪しを語るようなものです。

精製穀物の健康効果

全粒穀物 or 精製穀物、という検討は、いくつもの研究が行われてきており、そのメタ解析にてエビデンスが構築されます。

全粒穀物を食べれば精製穀物の消費量は低いだろう(消費量を置換できる)というのが前提となっています。ですので、現時点で最もエビデンスレベルの高いと考えられる、Lancetに2019年に出版された研究(Lancet. 2019;393(10170):434–445.)では次のように結論しています。「全粒穀物の良い健康効果については200以上の研究結果から立証された。だから、精製穀物を全粒穀物に置換することで、公衆衛生的に良い効果が得られるだろう」。

・精製穀物と全粒穀物の、食後血糖上昇効果を検討したランダム化研究が多数あり、そのメタ解析が2018年に発表されています(Am J Clin Nutr. 2018;108(4):759–774.)。玄米は白米と比較し、食後血糖上昇を抑える効果がありそうです。

一方、全粒穀物と比較せず、精製穀物の健康効果に注目した研究は、次のようなものがあります。

・白米と糖尿病については、2012年にハーバードがメタ解析を行っています(BMJ. 2012;344:e1454.)。これによると、1日1杯白米摂取量が増えるたび、2型糖尿病のリスクが11%上がる、とされます。しかもアジア人で、この悪影響が顕著だった、とされています。

日本の大規模コホート研究では(Am J Clin Nutr. 2014;100(1):199-207.)、白米の摂取量と死亡率の関連は認められませんでした

・最近のメタ研究では、精製穀物摂取量と高血圧(Adv Nutr. 2017;8(6):793–803.)、冠動脈疾患や脳卒中(Crit Rev Food Sci Nutr. 2019;59(7):1071–1090.)、死亡率(Am J Clin Nutr. 2017;105(6):1462–1473.)とは関連がありませんでした。

・うつ病と関連があるかもしれないというメタ解析がありますが(Psychiatry Res. 2017;253:373–382.)、信頼度の低いメタ解析です。

これらが科学的なエビデンスです。2019年時点では、「精製穀物を食べるよりは全粒穀物を食べたほうが健康によい」「白米より玄米の方が血糖値が上がりにくい」と、信頼性高く言うことができそうです。

そして、ここからは結果の解釈です。

白米を食べることに罪悪感を感じるべきか

一旦エビデンスを理解したら、次は哲学的な問いです。「白米を食べることに罪悪感を感じるべき」でしょうか。私の見解です。

白米を食べることで、おそらく死亡率が上がることは、日本人に限ってはなさそうです。が、より健康的なオプション、玄米、があるわけです。白米を玄米に置換することで、健康効果が得られることは間違いなさそうというわけです。程度の違いこそあれ、店にダイエットコークと普通のコーラが売っていたとして、どちらを選択しますか、という問いに似ています。所詮は自分の健康なのですが、そう考えると、白米を食べることに罪悪感を感じてもおかしく無いかもしれません。

個人的には、メインを玄米にして、時々白米を食べる、時々パスタを食べる、というスタイルが、幸福度・継続性という観点で良いと考えています。少なくとも、より健康的なオプションの存在に気づくことが大事です。日本の慣習で白米を食べてきたから、玄米でなく白米で良いんだ、という主張は、気持ちはわかりますが、科学的には間違っています。一方、白米=砂糖だ、というのも極端で、科学的に誤っています。正しい情報から、自分の選択をしましょう。

ちなみに一旦選択をしたら、継続が最も重要です。特に、全粒穀物の継続は、なかなか難しい場合もあります。しかし、継続しないと健康効果はえられません。エビデンスを知った上で、継続できるかという観点で、普段の食事を見直しましょう。

結論

やっぱり精製穀物よりは全粒穀物、白米よりは玄米が健康的です。

精製穀物=悪、という主張は極端で科学的でありません。

ではまた。

-食事と健康

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