ビタミンB3の効果と摂取の注意点【科学的根拠まとめ】

ビタミン・ミネラルシリーズ第7段、ビタミンB3です。ナイアシンともいいます。あまり聞いたことが無いかもしれません。以前、B3のサプリは脂質異常症の治療薬として用いられていた経緯があります。今ではどういう立ち位置でしょうか。

この記事では、ビタミンB3の効果と摂取の注意点について、科学的見地から解説します。

ビタミンB3の効果

ビタミンB3の効果

摂取不足による害、過剰摂取による害、推奨範囲内で多めに摂る健康効果を分けて考えましょう。水溶性ビタミンですが、サプリの過剰摂取による害が報告されています。

ちなみに、単位はmgNE(ナイアシンとしてのmg)です。1日の推奨摂取量は、成人で男性16mgNE、女性で14mgNEです。

ナイアシンとはニコチン酸やニコチンアミドの一般名です。

摂取不足による害

先進国では普通起こりません

ナイアシンが欠乏しても、体内のトリプトファンから合成されます。よって、両者が欠乏するリスクが高い方は注意する必要があります。健常人ではふつうありえません。

具体的には、アルコール依存症、神経因性食思不振症、Hartnup病、カルチノイド症候群など。普通医療介入されている患者群です。

・重症型をペラグラと言いますが、光線過敏症、下痢、うつ病などを特徴とします。20世紀、主食がコーンであった貧困層によく認められた疾患です。

過剰摂取による害

食事からいくら摂取しても大丈夫です。が、ニコチン酸やニコチンアミドのサプリは副作用を発現する確率が高いです。

・ニコチン酸は50mgで皮膚紅潮、痛み、かゆみなどを発現します(Nutr Rev 2012;70:357-66.)。悪くなると頭痛、吐き気めまい、血圧低下等を来します。これは、ニコチン酸に血管拡張効果があるからです。

・1日1000-3000mgのニコチン酸(徐放剤)は、脂質異常症の治療として昔用いられたことがありますが、かなり副作用が強いです。上記に加え、耐糖能異常や腹痛、胸焼け、肝機能異常などを来します。現在脂質異常症の標準治療はスタチンで、今は普通使いません

・ニコチンアミドは副作用が比較的起きにくいですが、3000mgくらいを服用すると生じます。

上記の副作用があるため、ナイアシンの成人の摂取上限が35mgと定められています。推奨摂取量が14-16mgであることを考えるとかなり狭い幅ですね。繰り返しますが、食事からの摂取は何も問題ありません。サプリが問題なのです。

ちなみに、サプリの副作用を和らげるために、食事と一緒に摂取することも行われます。ゆっくり吸収されることが重要です。

推奨範囲内で多めに摂る健康効果

主に心血管病の予防と皮膚病の予防・治療に関して、色々と研究されてきました。皮膚病に対する外用薬としても研究されていますが、ここでは内用薬としてのナイアシンにのみ言及します。

心血管病

上述のように、ナイアシンは脂質異常症の治療薬として注目されていた経緯がありましたが、スタチンの登場により出番が減りました。なので、スタチン単独 vs スタチン+ナイアシンで比較したランダム化試験が複数施行されました。LDLをより下げるという報告はありましたが(N Engl J Med. 2011;365(24):2255–2267.)、2017年のメタ解析では、1000-3000mg以上の服用により死亡率が10%も増加することが判明しました(J Am Coll Cardiol. 2018;71(22):2570–2584.)。

結局ガイドラインには ‘do not recommend’ となりました(J Am Coll Cardiol. 2019;73(24):e285–e350.)。

皮膚疾患

あまり詳しい領域でないので、もしかしたら研究を網羅できていないかもしれません。少なくとも、インパクトのあるメタ解析は今まで出版されていません。

・2015年に、皮膚がん既往の患者に対し、1日2回の500mgニコチンアミドにて新規皮膚がんの発症を予防するとしたphase-3臨床研究がNew England Journal of Medicineに発表されました(N Engl J Med. 2015;373(17):1618–1626.)。

・ニコチンアミド+亜鉛+銅+葉酸のサプリにて、にきびや酒さの治療に効果的であったとの報告があります(Cutis. 2006;77(1 Suppl):17–28.)。

これから積極的に調べられていく分野だと思いますが、サプリとして健康人を対象とした予防には使われることはないでしょう。副作用が強いから。

ビタミンB3、どれくらいどうやって摂取する?

魚介類、肉類の他、きのこ類、ナッツなど、様々なものが含んでいます。

タンパク質を普通に摂っていれば、基本的に不足することはありません

ちなみに平成29年の日本人平均摂取量は15mgと推奨レベルくらいです。気にすることありません。

日本で今、ナイアシンのサプリは輸入販売のみです。副作用が強いのでサプリ摂取は推奨されません。気になる方は食事からの摂取を気をつけましょう。

結論

普通にタンパク質を摂っていれば、特段ビタミンB3について意識する必要なし。サプリは飲むべきでない。

ではまた。

-食事と健康

Copyright© Riklog – 信頼できる医療知識 , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.