ビタミンB6の効果と摂取の注意点【科学的根拠まとめ】

ビタミン・ミネラルシリーズ第8段、ビタミンB6です。ピリドキシンともいいます。あまり聞いたことが無いかもしれません。しかし、B6サプリは効くと考えられる状況があります。

この記事では、ビタミンB6の効果と摂取の注意点について、科学的見地から解説します。

ビタミンB6の効果

ビタミンB6の効果

摂取不足による害、過剰摂取による害、推奨範囲内で多めに摂る健康効果を分けて考えましょう。

ちなみに、単位はmgです。1日の推奨摂取量は、成人でだいたい1.3mgです。

摂取不足による害

普通起こりません。食事からの摂取不足を原因としては、ビタミンB9(葉酸)ビタミンB12やの欠乏とともに起こり、そちらの方が重要な病態です。詳細を言えばビタミンB6単体の欠乏も報告されていますが、一般的には考える必要はありません。

過剰摂取による害

まず起こりません。水溶性ビタミンなので過剰分は尿中に排泄されます。

1日1000-6000mgのサプリからの摂取をかなり長期間(1年以上)飲むと、吐き気や運動失調を発症したという報告はありますが、服用やめればなおります(DRI)。

高濃度のサプリを長期間摂らなければ問題ありません。

推奨範囲内で多めに摂る健康効果

様々な疾患予防効果について検証されてきました。が、命に関わる疾患で現時点ではっきりとした科学的根拠のある予防効果はありません。つわりの予防・治療としては有効そうです。

心血管病・死亡率

ホモシステインが低下すると心血管病のリスクが高くなります。そしてビタミンB6(やB9やB12)が欠乏すると、ホモシステインが低下します。そのためこれらのビタミンによる予防効果が期待されてきました。

2017年のコクラン・レビューでは、ビタミンB6, 9, 12やそれらの合剤による、心血管病や死亡の明らかな予防効果は無いと結論されました(Cochrane Database Syst Rev. 2017;8(8):CD006612.)。脳卒中に関してはビタミンB9でのみ、ほんの少し予防効果があるかもしれません(詳細はビタミンB9記事)。

・2017年のメタ解析が、非常によくまとめてくれています(J Natl Cancer Inst. 2017;109(3):1–9.)。コホート研究では、食事からのビタミンB6摂取量は癌発生、特に消化器がん発生を予防することが認められました。が、ランダム化試験のメタ解析では、ビタミンB6のサプリによる癌発生予防効果は認められませんでした。

質の高い大規模ランダム化試験が少ないというlimitationはありますが、これはどういう事かというと、ビタミンB6によるがん予防の因果関係はなさそうだ、という事です。コホート研究の結果は、交絡因子により ‘見かけの’ 予防効果があると結論されているのです。ここに、食事、特に栄養素に関するコホート研究の限界があります。詳細は別記事で解説します。

・例えば、2018年のコホート研究のメタ解析で、ビタミンB6は食道癌予防に効果的かもと結論されていますが(Nutrients. 2018;10(7):835.)、これもおそらく因果関係ではないでしょう(=ビタミンB6を摂ったから食道癌のリスクが下がるわけではないということ)。

ただ繰り返しますが、質の高い大規模ランダム化試験がないことがlimitationです。おそらく今後行われることはないと思いますが(予防効果があるとしても非常に弱そうだから)。

・ちなみに、進行消化器がんにおいて、カンタリジン酸ナトリウム+ビタミンB6注射が、内科治療のレスポンスや患者のQoLを上げたというメタ解析結果があります(Drug Des Devel Ther. 2018;13:183–203.)。化学療法の副作用も抑えられました。消化器がんの治療法の一貫として良い方法だと考えられます(おそらく)。

認知症

これもたくさんのランダム化試験で検討されましたが、2018年のコクランレビューでは予防効果なしと結論されています(Cochrane Database Syst Rev. 2018;12(12):CD011906.)。

妊娠悪阻(つわり)

2016年のメタ解析によると、軽症〜中等症の妊娠悪阻を軽くする効果が認められています(JAMA. 2016;316(13):1392–1401.)。

どれくらいの用量が効くかというと、1日1mgを3回Am J Obstet Gynecol. 1995;173(3, pt 1):881-884.)で効いています。1日10mgと1mgを比較したランダム化試験では、10mgの方が効果がほんの少しだけ大きいとされました(Int J Gynaecol Obstet. 2012;116(3):206-210.)。

市販されているビタミンB6サプリは、100〜300mgくらい含んでおり、十分です。つわり予防にはほんのちょっとで大丈夫です。おそらく、妊娠でいくばくか必要量が多くなるためちょっと不足し、それを補えばOKという事でしょう。

ビタミンB6、どれくらいどうやって摂取する?

野菜(特ににんにく)、果物(バナナとか)、調味料や香辛料(とうがらし等)、全粒穀物、まぐろの赤身等に多く含まれます。

平成29年の日本人平均摂取量は1.15mgと、ちょっとだけ推奨摂取量より低めです。

普段は問題ありませんが、妊娠するとちょっと不足し、つわりとして表現される部分もあるのかもしれません。

結論

健常人は特段ビタミンB6について意識する必要なし。

妊娠中つわりがある方は、サプリを摂ってみると良いです。でもちょっとで十分。

ではまた。

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