ビタミンDは唯一お勧めできるサプリ【科学的根拠】

市販のサプリはほとんど健康効果が見込めません。

ビタミンDだけが、「条件に当てはまる(多くの)人がサプリからの摂取を考えるべき唯一のビタミン」と言えます。

食品からの十分な摂取は難しい。

この記事では、ビタミンD摂取と健康の関連性、サプリの効果、副作用等を、科学的根拠を基に優しく解説します。

「ビタミンDサプリを飲むべきタイミング」を知りましょう。

 

 

ビタミンDについて知る

ビタミンD、どうやって摂取する?

ビタミンDは「脂溶性ビタミン」の一種。

単位はIUかμg。1IU=0.025μgです。以下「IU」で表記していきます。

 

ガイドラインでは、1歳以上は1日600IU以上、70歳以上は800IU以上の摂取が推奨されています。

これをどう摂取すればよいのか。

重要なポイントは次の通りです:

・日光(に含まれる紫外線)による自分の皮膚での合成、もしくはサプリからの補給がメイン

・食事からの摂取は、なかなか難しい

 

逆に言うと、よく外出して日の光を浴びれば、それだけで十分なビタミンDが合成されます

 

逆に、ビタミンDを欠乏しうるリスクの方とは:

・日の光を浴びないデスクワークの人

・皮膚でのビタミンD合成力が低下している高齢者や黒人

・日照時間の短い場所(北緯40度より北など)に住む人

などなど。

 

これらに関して、少し詳細なエビデンスを紹介します。

 

 

日光

日光でどれくらいのビタミンDが合成されるのでしょうか。

✅日の光が強い場所で15分くらい全身に日光を浴びると、1000IUのビタミンD摂取くらいの意味合いがあるかもしれません(J Am Acad Dermatol. 2010;62(6):929.e1–929.e9299.)。

 

日光をいくら浴びても、ビタミンD過剰症となることはありません

✅なぜなら、浴びすぎるとビタミンD合成を抑制する物質が合成されます(J Am Acad Dermatol. 2006;54(2):301–317.)。

 

✅なお、SPF10の日焼け止めを塗ると、90%くらいビタミンD合成が低下するといいます(Pediatrics. 2011;127(3):e791–e817.)。

 

*******************

日光を浴びれば十分ですが、冬や生活環境・習慣によっては十分な量の合成ができなそうですね。

 

ビタミンDとは全く別の観点ですが、紫外線を浴びすぎると皮膚がんの原因となります(J Am Acad Dermatol. 2006;54(2):301–317.

 

 

食事

きのこ、魚介(かつお、いわし、さば、さけ、あんこうなど)、ビタミンD添加食品に含まれます。

→一概には言えませんが、一食50-150IU程度のビタミンDを含有していると思われます。

→なかなか1日600IU摂取することは困難です。

 

例えば国民健康栄養調査にて、日本人成人の平均摂取量は7.3μg = 292IUと低めです。

しかし、これは食事からの摂取量。よく日光を浴びていれば問題ありません。

実際、日本でくる病や骨軟化症をみることはほとんどありません。

 

ビタミンDの摂取源は日光とサプリがメインなのです。

 

 

*************

以上より、

ビタミンDに欠乏するリスクのある方は、サプリからの摂取を検討すべき

ことがわかります。

 

では引き続き、ビタミンDに関して

摂取不足による害、過剰摂取による害、推奨範囲内で多めに摂る健康効果

と3つに分けて考えましょう。

 

*一番大事なのは「推奨範囲内で多めに摂る健康効果」です。

 

 

ビタミンD摂取不足による害(欠乏症)

ビタミンD摂取不足による害(欠乏症)

ビタミンDはカルシウムと共に骨の代謝に関わるので、摂取不足→欠乏症となると骨の健康に関わります。

 

✔ビタミンDが足りないと、カルシウムも足りなくなってしまいます(吸収できないため)。

 →そのため骨からカルシウムが血中にリリースされてしまい、長期的に骨粗鬆症のリスクが高まります(二次性副甲状腺機能亢進症)。

✔更にビタミンDの不足が顕著となると、もっと骨が悪くなります。

 →小児ではくる病、成人では骨軟化症と言われます。骨粗鬆症による骨折リスク増加だけでなく、骨痛や筋肉痛も認められます。

 

牛乳やヨーグルトにはビタミンDが添加されているので、普通に生活していれば重篤な欠乏症に至ることはまずありません

が、後述するように日光暴露による生成がメインなので、あまり日光に当たっていない方はそれなりに不足します。

そういう方は、おそらくビタミンDサプリを摂取すると良いです。

 

なおカルシウムについてはこちら

 

 

ビタミンD過剰摂取による害(過剰症)

ビタミンD過剰摂取による害(過剰症)

ビタミンDは脂溶性ビタミンで体内に蓄積します。

が、疫学研究によるとそこまで心配いらなそうです。

 

✔過剰症はサプリによってのみ生じますが、ほとんどの報告は1日10000IU以上の摂取です。4000IUを数年摂取し続けると過剰症となりうるとも言われています(Front Endocrinol (Lausanne). 2018;9:550.)。

 ※ほとんどのサプリは1000IU以下です

✔ビタミンD中毒となった場合、高カルシウム血症に準じた症状がでます(食思不振、倦怠感、多尿、重症だと心室性不整脈)。

 

ものすごい量を摂取しなければ、基本的には大丈夫そうです。

 

※カルシウムとビタミンDのサプリを一緒に飲むと、脳梗塞の(Ann Intern Med. 2019;171(3):190–198.)や腎結石(N Engl J Med. 2006;354(7):669–683.)のリスクを上げることが示唆されています。

 →ビタミンDサプリ単独では、あまり報告されていません。

 

 

ビタミンDを推奨範囲内で多めに摂る健康効果(ここが大事)

ビタミンDを推奨範囲内で多めに摂る健康効果(ここが大事)

様々な健康効果がたくさんの研究で検証されています。

特に、最近大規模なランダム化試験(VITAL trial)が発表され、ビタミンDに関するエビデンスが大きくUpdateされました。

 

✅まず、最新のumbrella reviewからのoverviewです(J Intern Med. 2021;10.1111/joim.13399.):

ビタミンDサプリは、

・上気道炎予防

・施設入所中の高齢者に対する骨折予防

・境界型糖尿病の方に対する糖尿病発症予防

・癌による死亡の予防

の効果が見込まれる(suggestive evidence)

とのことです。

 

では、それぞれの健康効果別に、ビタミンDの効果に関するエビデンスを紹介していきます。

骨折・癌・心血管病・感染症・糖尿病・精神疾患の順に説明です。

より細かい情報(飲み方、予防効果の程度など)がわかります。

 

骨折

これが問題になるのは高齢者、特に閉経後の女性です。なぜなら骨粗鬆症の頻度が多いから。

より一般的な集団についても精査されています。

 

************

✅一番最新のメタ解析はこちら(JAMA Netw Open. 2019;2(12):e1917789.

・11の観察研究、11のRCTを対象としています。

・ビタミンD単独では骨折予防効果は認めませんでした

ビタミンDとカルシウムサプリの併用により、6%の全骨折、14%の大腿部骨折予防効果が認められました

 *但し、色々なビタミンDの投与法が一緒くたに解析されており、あまり汎用性のある結果とは言えなそうです

 

閉経後の女性はビタミンDを欠乏している可能性がとても高く、ビタミンDのサプリによる骨折予防効果がある程度立証されています(Arch Intern Med. 2009;169(6):551–561.)。

 →800IUのサプリ摂取により、骨折のリスクが20%減りました

 ※400IUのサプリでは効果がありませんでした。ある程度高濃度のビタミンDでないと効果が期待されないのです。

 

✅ビタミンDのサプリによる転倒予防効果もあります(同論文)。

・健康な高齢者にとって転倒の主要な原因は筋肉量低下が原因と考えるので、ビタミンDは筋肉にも作用するということです。

 →700-1000IUのサプリにより20%程度転倒リスクが減りました

 *この効果も、低用量では認められませんでした。

 

***********

ビタミンDが欠乏している人に対してビタミンDを補充することで骨折予防効果があることは、共通の見解です。

そのため、骨折リスクの高い人にビタミンDサプリを処方することは、様々なガイドラインで定められています。

 

*なお、「1年1回高濃度のビタミンDのサプリを摂る」方法だと、逆に骨折と転倒リスクが増えると報告されています(JAMA. 2010;303(18):1815–1822.)。

 →急に血中濃度を上げると、逆に悪いようです。

 

 

日照時間の少ない場所=ビタミンDが合成されにくい場所では、くる病と同様大腸癌が多いという発見から(Ann N Y Acad Sci. 1999;889:107–119.)、様々な疫学研究が行われてきました。

しかしどれも決定的ではなく、、

✅質の高いランダム化試験は2019年にはじめて出版されました(N Engl J Med 2019;380:33-44.)。

✔これは25000人に2000IUのビタミンDかプラセボを投与する試験(VITAL試験)で、5.3年フォローされています。

✔癌による死亡のハザード比は0.83 (95%CI: 0.67-1.02)でした。有意ではありませんでした。

✔この試験を含めた最新のメタ解析では、ビタミンDのサプリによりがん死亡率が16%低下すると報告しました(BMJ. 2019;366:l4673.)。

 

*************

よって、驚くことながら:

ビタミンDが不足しがちなpopulationでは、サプリにより癌予防効果があるだろうと言えるでしょう。

 

*どこまで言い切れるかというのは微妙な話です。

2021年現在のところ、全員ビタミンDを飲んだ方がよい、とはなっていません。

日照時間の少ない地域ではビタミンDサプリ摂取を国として進めている所もあります(イギリスなど)。

が、「癌予防効果目的」とははっきり言及されていません。

 

 

心血管疾患

✅上述のVITAL試験(N Engl J Med 2019;380:33-44.)では、明らかな心血管疾患予防効果はみとめられませんでした。

✅VITAL試験を含めたメタ解析でも結果は同様でした(BMJ. 2019;366:l4673.)。

 

今のところ、おそらくビタミンDの摂取により心血管疾患の予防は期待できないと言えそうです。

 

 

感染症

以前より、冬にインフルエンザが流行する一つの理由に、日照時間が少ないからビタミンDを血中濃度が下がることが言われていたのでした(Epidemiol Infect. 2006;134(6):1129–1140.)。

ビタミンDは(免疫力を上げて)感染予防する効果があるかも、と期待され、いくつか研究が行われてきました。

 

✅日本での興味深い研究です(Am J Clin Nutr. 2010;91(5):1255–1260.)。

・350人くらいの子供に1200IUのビタミンDかプラセボを投与し、冬の4ヶ月でのインフルエンザ発症を比較するというものです。

結果、ビタミンD投与群ではインフルエンザ罹患リスクが60%以上減りました。驚くべき結果です。

 *注)インフルエンザ予防にはインフルエンザワクチンが最も有効です。

 

新型コロナウイルス感染症が流行し、この話題はより注目されるようになりました。

さらに色々な研究が行われ、上述のVITAL試験を含めた大掛かりなメタ解析が、最近出版されました

 

✅46のRCTを対象としたメタ解析です(Lancet Diabetes Endocrinol. 2021;9(5):276-292.

・とても信頼性が高い研究です

1回以上の上気道炎は、ビタミンD群61.3%、プラセボ群62.3%でした(オッズ比 0.92)

400-1000IUのビタミンDの連日投与をされていた群については、プラセボと比較しオッズ比0.70でした(I2=31.2%と高めでした)

・その他、「12ヶ月未満の投与」「16歳未満」というサブグループで、有意な予防効果が認められました。

 

以上より、ビタミンDはサプリ摂取により上気道感染予防が少し期待できると言えます。

その効果は1日400-1000IU程度を継続的に飲むことで得られる

ただし、そんなにすごく強力なわけではない。

 

なお、新型コロナウイルスも上気道感染なので、おそらくビタミンDサプリ摂取による予防効果が期待できます。

ただしどれほど強力な予防効果かは不明確です。

 

*なお、ビタミンD投与で結核の感染予防ができるか、大規模なランダム化試験が行われました(N Engl J Med 2020; 383:359-368)。

この研究結果は「効果なし」でしたが、、

色々とlimitationの多い研究で、実際のところはわかりません。

この記事で解説しています。

 

 

糖尿病

✅境界型糖尿病の方に対する糖尿病発症予防効果を見たメタ解析です(Diabetes Care. 2020;43(7):1650-1658.

・8つのRCTが対象です

・ビタミンDサプリにより11%のリスク低下が認められました(I2=0%と良いです)

・ビタミンDサプリにより、境界型糖尿病から普通の血糖に戻る率が1.4倍に高まりました(I2=0%と良いです)

・これらの効果は、特に肥満でない人(BMI<30)で強く認められました

 

✅18のRCTを対象としたインスリン感受性への影響をみたメタ解析です(Diabetes Care. 2020;43(7):1659-1669.

・ビタミンDサプリによるインスリン感受性の改善効果は認められませんでした

 

✅なお、Mendelian randomization studyによると、血中のビタミンDは1型糖尿病の発症とは関連ありませんでした(PLoS Med. 2021;18(2):e1003536.

*Mendelian randomizationについてはこちら

 

*************

以上より、

境界型糖尿病の方で、特に肥満でない方に対し、ビタミンDサプリで糖尿病発症の予防効果が期待できる

と言えそうです。

血糖が正常な人については、効果は期待できなそうです。

 

*上記の研究はVITAL studyが含まれていないことに注意です。

VITALの母集団が多いため、それを含むと結果が変わる可能性もあります。

 

 

精神疾患

✅うつ病に対する、VITAL Trialの結果です(JAMA. 2020;324(5):471-480

・色々検討していますが、うつ病発症予防効果はありませんでした

 

✅統合型失調症については、RCTでの結果はでていません

・が、病態生理と観察研究の結果から、特に幼少期のビタミンD欠乏が発症の一つの原因となっているのでは、と考えている人もいます(Mol Psychiatry. 2021;10.1038/s41380-021-01025-0.

 

 

 

実際どうする?(お勧めサプリ紹介)

実際どうする?(お勧めサプリ紹介)

ビタミンDはしっかり摂取したい。

しかし、食事による摂取は難しいので、あまり深く考える必要ないです。

まずは定期的な日光浴、それができない人はサプリによる定期的な摂取をおすすめします。

 

ビタミンDは脂溶性ビタミンだから副作用が心配で。。」という方は多いと思います。

ただ、そもそも不足している人が多く、過剰摂取による問題はほとんど起きません。

しかもサプリの効果は、ある程度高用量(800IU以上)のビタミンDサプリを「毎日」使わないと認められなかったとする報告が多いのです。

 

晴れが少ない場所や季節、ずっと屋内で作業している方、女性の高齢者は、ビタミンDのサプリにより健康効果が期待できます

注意:一回高用量は効果が期待できません

 

*************

 

日本では1000IU程度のサプリがたくさん販売されています。

例えばこれはGoodです。

ネイチャーメイド スーパービタミンD 1000IU(90粒)【イチオシ】【ネイチャーメイド(Nature Made)】

 

不足しているなと思った方は、1000IU程度のビタミンDサプリを定期的に摂取することで、様々な健康効果(がん予防・感染症予防・骨健康など)が期待できそうです。

是非検討ください。

 

 

結論

ビタミンDは日光かサプリから。

不足している人、特に日光を浴びない方は、自己判断でサプリを飲みましょう。

骨健康、癌予防、風邪予防になりそうです。

ではまた。

-食事

Copyright© Riklog , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.