ビタミンEの効果と摂取の注意点【科学的根拠まとめ】

ビタミン・ミネラルシリーズ第3段、ビタミンEです。肌にいいとか、聞いたことがあるかもしれません。強い抗酸化作用があるため様々な研究が行われてきました。ビタミンE=抗酸化作用ですが、健康効果はあるのでしょうか?

この記事では、ビタミンEの効果と摂取の注意点について、科学的根拠を基に解説します。

ビタミンEの効果

ビタミンEの効果

ビタミンEは強い抗酸化作用があります。酸化は健康に悪いため、ビタミンEは健康に良いだろうと考えられ様々な研究がおこなわれてきました。

まず、摂取不足による害、推奨範囲内で多めに摂る健康効果、過剰摂取による害、と3つに分けて考えましょう。

ちなみに、単位はIUかmg(1mg=1.5IUと考えて良いです)。ビタミンEは、成人で22.5IU(15mg)の摂取が推奨されています。

摂取不足による害

不足することはほとんどありませんが、万が一不足すると次のような症状が出現します。

・網膜症(見えづらくなる)

・末梢神経症

・運動失調

先進国では、基本的に不足による健康障害が問題になることはありません。

過剰摂取による害

脂溶性ビタミンですが、食事からの過剰摂取は心配ありません。あり得るとしたサプリによる過剰摂取ですが、ほとんどみられません。そして健康被害もあまり気にしなくて良さそうです。

・出血のリスクが高くなるかもしれません。特に抗血小板薬、抗凝固薬を内服している場合。ですが、報告はほとんどありません。

ガイドラインでは1日1000mg(1500IU)を上限としていますが、これ以下ならまず問題ないだろうという意味です。

推奨範囲内で多めに摂る健康効果

そこまで強い(信頼性の高い)健康効果はあまり立証されていません。が、いくつかの研究で健康効果が示唆されています。

心血管疾患・死亡率

Umbrella reviewでの結論は、「非常に弱いエビデンスで効果がないだろう」となっています(Ann Intern Med. 2019;171(3):190–198.)。しかし掘り下げてみてみると、効きそうな人(心血管疾患のリスクがビタミンEにより下がる人)がいるかもしれません。

・2018年のコホート研究のメタ解析では、食事からのビタミンEと死亡率・心血管疾患による死亡率にはっきりとした関連性は認められませんでした(Am J Clin Nutr 2018;108:1069–1091)。

・一方、600IUのビタミンEサプリにより、心血管疾患による死亡率が24%下がるという報告があります(JAMA. 2005;294(1):56–65.)。これは非常によくデザインされたランダム化試験で、信頼性が高いです。対象はアメリカ人女性です。そして、高齢者ほど効果が顕著でした。

・同研究で、深部静脈血栓症のリスクも減らすことが示唆されました(Circulation. 2007;116:1497-503.)。

55歳以上の糖尿病の男性かつある遺伝子型(ハプトグロビン 2-2)に対しては、ビタミンEビタミンのサプリにより心血管疾患のリスクを下げたというランダム化試験があります(Arterioscler Thromb Vasc Biol. 2008;28:341-7.)。比較的短いフォロー期間です。

一方、ランダム化試験で、効果がなかったとするものも複数あります。なので、科学的な結論はでていません

様々な研究が行われていますが、はっきりとした結論に達していません

・2018年のコホート研究のメタ解析では、食事からのビタミンEと死亡率・心血管疾患による死亡率・癌死亡率にはっきりとした関連性は認められませんでした(Am J Clin Nutr 2018;108:1069–1091)。

・最近のメタ解析では、食道癌(Nutrients. 2018;10(7):801.)や膀胱がん(Int J Vitam Nutr Res. 2019;89(3-4):168–175.)に予防効果があると結論されていますが、メタ解析の質はかなり低いです。信用なりません。

認知症や神経疾患

アルツハイマー病、パーキンソン病、ALSなどは酸化ストレスが病態の重要な一部であることもあり、抗酸化作用の高いビタミンEによる予防が期待されています。が、現時点でははっきりした効果は認められないと考えられています。もしかしたらパーキンソン病とALSの予防効果があるかもしれませんが、信頼性は低いです。

・20年前のランダム化試験(少人数)で認知症予防に効果があるとした研究がありますが(N Engl J Med. 1997;336(17):1216-1222.)、最近のメタ解析では効果なしと結論されています(Cochrane Database Syst Rev. 2018;12(12):CD011906.)。

・2005年のコホート研究のメタ解析ではビタミンEによりパーキンソン病のリスクを下げることが示唆されましたが、大規模ランダム化試験では確かめられていません(Lancet Neurol. 2005;4(6):362–365.)。

・ALSは治らない病気です。2008年のsystematic reviewでは、「はっきりとした効果はないが服用しない理由もない」としています(Amyotroph Lateral Scler. 2008;9(4):195–211.)。

ビタミンE、どれくらいどうやって摂取する?

ビタミンE、どれくらいどうやって摂取する?

緑茶の茶葉、植物性油、ナッツ(アーモンド、ピーナッツなど)に多く含まれています。

・基本的な摂取は、オリーブオイルやなたね油などの植物性油(油の詳細こちら)から、もしくはナッツからの摂取となります。

・茶葉には100gあたり65gもビタミンEが含まれます。ただ脂溶性ビタミンなので、緑茶を飲んでも摂取できません(茶葉から水に溶けないから)。茶葉の粉末を溶かすタイプ(寿司屋のお茶とか)はGoodです。かと言って、緑茶自体にはビタミンEよりはっきりした健康効果があるので(詳細こちら)、是非飲んで下さい。

日本人の平均摂取量は6.8gとかなり低いです。が、目立った問題は起きていませんので大丈夫です。ビタミンEを意識してなにかする必要は無いと言えるでしょう。

ただ繰り返しますが、緑茶植物性油(不飽和脂肪酸)ナッツはそれ自体が健康に良いと証明されているので、摂取すべきです。それらの健康効果は、必ずしもビタミンEに関連するわけではないかもしれません(一部そうかもしれません)。だから、「緑茶は抗酸化作用があるから健康に良い」とか「ナッツはビタミンEがあるから健康に良い」とかは、不正確な言い回しです(こういう情報は信頼してはいけません)。

結論

日本人はビタミンEが不足していますが、別に気にする必要なし。

気になる人も気にならない人も、ナッツや植物油(不飽和脂肪酸)を摂りましょう。

ではまた。

-食事と健康

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