全粒穀物の健康効果・最大化する方法

全粒穀物は、日本でよく「オーガニック食品」と言われる健康食品。なかなか普段の食事に取り入れるのは難しいですよね。

この記事では、全粒穀物の健康効果についての科学的根拠を説明し、更にその健康効果を最大化するための方法を解説します。この記事を読んで、なかなか摂取できない全粒穀物の効果を効率よく得ましょう。

 

 

全粒穀物の効果を最大化する

・テレビ番組に触発されて、その日から全ての主食を玄米に変えてみました。3ヶ月くらい続けましたが、ある日久しぶりに白米で海鮮丼を食べたらめちゃくちゃ美味しかった。玄米が切れ、面倒くさくなって、美味しい白米に戻ってしまった。。

→この3ヶ月は効果があったのでしょうか?

 

・週に1回、月曜の夜は十割そばを食べることに決めました。そばは美味しいので、10年間この週間が続きました。

→このそばは健康に良いのでしょうか?

 

この記事を読み、これを科学的に判断できるようになりましょう。

 

 

全粒穀物(whole grain)とは?

全粒穀物(whole grain)とは

 

栄養学的に、穀物は「炭水化物源」として考えることが多いです。肉、豆などの「タンパク質源」と区別します。

炭水化物は主食となりますので、食事においてとても大切な要素です。

炭水化物の中でも全粒穀物と精製穀物に分けて解析することが多く、全粒穀物とは、穀物を精製(精白など)していないものを言います。具体的には、玄米、全粒粉の小麦、そば、オートミールなどを指します。

 

全粒穀物と精製穀物の違いは、全粒穀物の方が大事な栄養素を色々含んでいることにあります。食物繊維、ビタミン、ミネラルなど。

全粒穀物は色々たくさんよい栄養素を含むので、精製穀物より健康によいとされます。

 

健康効果は、「全粒穀物をたくさん食べている人とそうでない人を比較した時の疾患罹患率の違い」として、疫学的に研究、評価されるのです。みてみましょう。

 

 

全粒穀物の健康効果

全粒穀物は様々な研究で健康効果が示されてきています。

その中でも、すごく重要な報告を、2つ紹介します。

 

✔2016年のメタ解析です(BMJ. 2016;353:i2716.)。

・全粒穀物摂取量を90g/日増やすたび、19%の冠動脈疾患リスク低下、12%の脳卒中リスク低下、15%の癌死亡率低下が得られました。

・メタ解析された研究の数は少ないですが(それぞれ1桁)、呼吸器疾患による死亡率、糖尿病、感染症のリスクも減らす可能性が示唆されました。

・だいたい210-225g/日の全粒穀物摂取により、これらの恩恵が得られるかもしれません。

 

✔2019年のWHO主導の、計243研究を対象とした、総説的なメタ解析です(Lancet. 2019;393(10170):434–445.)。

観察研究のメタ解析結果は、上記2016年のメタ解析と同様でした。

ランダム化研究のメタ解析結果によると、全粒穀物消費により体重減少、LDLコレステロール低下、収縮期血圧の低下が得られることが分かりました。

 

※観察研究はどこまでやっても因果関係を証明することは難しく(全粒穀物を食べたから死亡率が下がった、と証明できない)、一方ランダム化試験は因果関係を証明できますが長期的なフォローが難しい(ランダムに「全粒穀物を毎日食べてください」と言われ、それを10年間従い続けることは不可能)。

が、観察研究で200回以上も繰り返し全粒穀物の効果が検証されているわけです。あまりにも一貫して健康効果が示されてきたため、「全粒穀物摂取により健康に良い影響が得られる」という因果関係はおそらく誤っていないだろう、と考えられています。

 

 

全粒穀物を選ぶ注意点

全粒穀物を選ぶ注意点

 

どのように全粒穀物を選べば良いのでしょうか?

スーパーに行けば、玄米、オートミール、胚芽パン、など色々みられます。

よく言われている注意点は、どの程度の割合が全粒穀物なのか(精製穀物との比は何か)という点です。例えばアメリカでは、重量の51%以上が全粒穀物であれば、’whole grain’と表記することがFDAにより許可されているようです。精製穀物が比較的に健康に悪いため、全粒穀物の比が多いことが重要な要素です。

 

しかし、ほとんど疫学研究は「全粒穀物の摂取量をアンケート調査している」ことに注目すべきです。そのアンケート調査から、商品名→全粒穀物含有量まで調べて解析することは難しいです。実際かなりの労力をかけてやっていますが、正確な計算は困難です。

つまり前述した全粒穀物の効果は、「自分のなかでの全粒穀物の消費」によると捉えることもできます(ランダム化研究は違います)。

 

栄養素の観点で種類を選ぶよりも、自分の好きな味で選び、食べ続けることの方が極めて重要です

・疫学研究の比較はざっくりしており、「週に2-3回 vs 週にほぼ0回」のような感じです。

→この比較で健康効果を立証しているので、定期的な摂取具合により健康効果が異なることが証明されている、というわけです。

→逆に全粒穀物をたくさん食べる時期があっても、継続的に食べないと上記に研究されている効果は得られません

 

 

あなたは全粒穀物の健康効果を最大化できるか

最初の話にもどります。

Q) テレビ番組に触発されて、その日から全ての主食を玄米に変えてみました。3ヶ月くらい続けましたが、ある日久しぶりに白米で海鮮丼を食べたらめちゃくちゃ美味しかった。玄米が切れ、面倒くさくなって、美味しい白米に戻ってしまった。。

→この3ヶ月は効果があったのでしょうか?

A) 心血管疾患予防という観点では、意味ないでしょう。ランダム化研究の結果から、短期的に体重やコレステロールの低下が得られると思われますが、やめれば戻ります。

 

Q) 週に1回、月曜の夜は十割そばを食べることに決めました。そばは美味しいので、10年間この週間が続きました。

→このそばは健康に良いのでしょうか?

A) そばによる食塩摂取は別に考える必要があるかもしれませんが、ここではおいておきます。すると、1週間に最低1回は全粒穀物を摂取します。全く取っていなかった頃と比較し、生涯の心筋梗塞、癌のリスクは減ることが予想されます。1週間に1回はやや少ないですが。

 

一過性の嗜好で「栄養素の観点で」全粒穀物を選んで食べても意味ありません。それよりも、自分の好きな味で選んで、継続的に食べていきましょう。それが本質的に大事です。

 

朝の食パンをオーガニックパンに変えても勿論よいです。日本で売られている「オーガニック食品」があまり口に合わない場合は、白いパンの代わりに少し茶色いパンを選べば、OKです。全粒穀物の割合はそこまで多くないかもしれませんが、毎日食べるので、継続すればかなりの効果が期待できます。

 

 

結論

全粒穀物は好みで選んで継続的に食べましょう。

ではまた。

-食事

Copyright© Riklog , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.