うがいは風邪予防効果があるのか?【科学的根拠】

手洗いうがいは我々日常的に行いますが、「うがいは感染予防効果のエビデンスがない!!」と最近よく言われています。

「そうなのか、じゃあうがい辞めよう」

と鵜呑みする前に、文献を調べたことはありますか?

イソジン意味ない説を、根拠なく信じていませんか?

この記事では、うがいの風邪予防効果に関する最新の科学的根拠を紹介します。

 

 

うがいは風邪予防効果があるのか

うがいは風邪予防効果があるのか

うがいは日本発の研究が多いです。

 

調べてみると、

・うがいによりウイルス・細菌がどれだけ減るか

・水やイソジンによるうがいの効果は?

・お茶によるうがいの効果は?

という観点で研究されているものがありました。

 

それぞれの最新の研究を紹介していきます。

 

 

うがいによりウイルス・細菌がどれだけ減るか

イソジンの効果を検証したin vitroの研究を紹介します(Infect Dis Ther. 2018;7(2):249–259.)。

・用法の指示通り(30倍希釈、15秒)に使うことで、Klebsiella pneumoniaeStreptococcus pneumoniaeという肺炎の原因としてメジャーな細菌の活動度が減少しました

・同様の方法で、インフルエンザH1N1、SARSコロナウイルス、MARSコロナウイルス、ロタウイルスの活性が劇的に落ちました

・濃度が高いこと(薄めすぎないこと)が重要そうな結果でした

 

という事で、イソジンにより殺菌・ウイルス除菌効果があることがin vitroでは示唆されています。

まあ当たり前ですが(イソジンはその目的で作られているので)。

 

より重要なのは、疫学研究により実際にヒトの感染症を防ぐことができるかどうかです。

 

 

水やイソジンによるうがいの効果は?

ランダム化研究を2つ発見しましたので、これを紹介します。

 

✔日本で行われたランダム化研究です(Am J Prev Med. 2005;29(4):302–307.)。

・400人程度の参加者を水うがい、イソジンうがい、コントロールにわけて60日間フォローしました

・うがい群は、20mlの水を15秒間✕3回、1日3回以上うがいするよう指導され、それを守っているか、用紙に毎日記入するよう指示されました。

・Incidence rateという指標で、コントロールと比較し水うがいは0.64 (95%信頼区間0.41-0.99)、イソジンうがいは0.89 (95%信頼区間0.60-1.33)でした。

→水うがいは効果的かもしれない、と結論されました

 

✔カナダで行われたビタミンDサプリとうがいの2✕2 factorialランダム化研究です(BMC Infect Dis. 2014;14:273.)。

・うがい群は、30mlの水で30秒、1日2回するよう指示されました。

・ビタミンDは予防効果が示唆されましたが(リスク比:0.80 (0.63-1.02))、うがいの効果はありませんでした(リスク比: 1.1 (0.78-1.44))

 

日本とカナダの状況(人口密度など)は全然違います。

また日本の研究は、参加者が少ないため信頼区間が広いものの、point estimateはかなり低く(36%の低下)、効果が期待されます。

どちらも規模が小さいので確定的なことは言えませんが、少なくとも日本で「効果がないとは断言できない」とは言えそうです。

 

※よく解釈が誤解されていますが、上の日本の研究結果から「イソジンうがいが効果的でない」「イソジンより水うがいがよい」とは結論されません。

イソジンうがいが効果的でない:効果がないことを証明するに十分なサンプル数(power)でありません。参加者を増やせば、効果があると結論される可能性が高いと思います。

イソジンより水うがいがよい:単純なpoint estimateの差で言っていると思われますが、検定されていません。したとしても間違いなく有意になりません(水うがいがコントロールと比較してギリギリ有意だから)

別にイソジンの肩持ちをするわけではありませんが、根拠なくイソジン意味ない説を唱えるのは止めましょう。

 

 

お茶によるうがいの効果は?

カテキンがウイルスの活性や増殖を抑制し、ウイルスに対する免疫反応を高めることが動物実験レベルで示唆されています(Molecules. 2018;23(7):1795.)。

それを根拠に、お茶や紅茶、その抽出物を用いたうがいが効果的である可能性が考えられ、疫学研究で検討されています。

 

✔2016年のランダム化研究のメタ解析を紹介します(BMC Public Health. 2016;16:396.)。

・5つのランダム化研究、2000人程度のpopulationです。

・茶またはその抽出物によるうがいの効果は、リスク比0.71(95%信頼区間0.58-0.91)と有意なインフルエンザ予防効果が認められました。

・規模は少ないですが、heterogeneityやpublication biasはなさそうで、それなりに信頼できる解析結果と思われます。

 

✔水によるうがいと茶によるうがいを比較したランダム化研究です(Altern Complement Med. 2017;23(2):116–120.)。

・747人を水又は緑茶によるうがいへランダム化し90日間フォローしました。

・インフルエンザ予防効果について(詳細は不明)、緑茶が水より少し有効だと結論しています。

 

以上のように、お茶(特に緑茶)によるうがいは、インフルエンザ(風邪)予防に効果的であることが示唆されています。

 

 

うがいによる感染予防は「エビデンスがない」のか?

研究で結論付けられていない事はたくさんあります。

風邪予防の観点では、マスクの効果ビタミンDサプリの効果も、結論付けられてはいません。

しかしそれらに関してどんな研究が行われているか調べると、効果があると示唆されているものが多くあることに気づきます。

 

うがいについても有効だとする研究の方が多く、おそらくある程度は予防効果があるものと思われます。

 

「エビデンスがないから・・」とか言う自称専門家の方。

効く(強力な)エビデンスがないのか

効かないというエビデンスがあるのか

はっきり認識していますか?

 

★超重要なポイントです。

エビデンスがない=効果がない

ではなく、

エビデンスがない=効果があるかもしれないが、確かでない(勿論ないかもしれない)

です。

 

 

※ただし研究されているうがいは、「お茶を使う」「20秒✕3回を1日3回」など、結構な努力が必要です。

ちょろってうがいするだけでは、おそらく予防効果は無いでしょう。

うがいの恩恵を受けたい方は、しっかり毎日うがいしましょう。

手洗いやマスクも一緒ですよ。しっかりとやることが大事です)

 

でも科学的根拠とかじゃなくて、うがいくらいやればいいじゃん、と思うのが本音。

 

 

結論

うがいに風邪予防効果がないというエビデンスは少なく、むしろ有効性が多くの研究で示唆されています。

毎日、しっかりとうがいすることが重要です。

ではまた。

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