肥満は新型コロナのリスクか

コロナ太りが最近問題視され始めています。

「肥満=悪い」が常識ですが、新型コロナウイルスでもそうなのでしょうか。

また悪いとしたら、なぜ、どう悪いのでしょうか。

この記事では、こんな疑問に答える論文を解説していきます。

 

肥満は新型コロナのリスクか

肥満は新型コロナのリスクか

肥満は心臓病に悪い。常識ですね。

では感染症は?新型コロナウイルスは?

誰しも気になります。

 

そしてこの自粛生活。絶対的に運動量が減り、体重が増える。

「コロナ太り」と言われています。

これは悪いのか(おそらく悪いでしょうが)。

 

有名雑誌Circulationに4/23に発表されたミニreview記事を紹介します(Circulation. 2020;10.1161/CIRCULATIONAHA.120.047659.)。

 

 

肥満は新型コロナに悪いというエビデンス

肥満が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により重症化するリスクと関連する、という報告がいくつか引用されています。

 

<フランスの報告>

BMI>35はBMI<25と比較し、COVID-19により挿管・人工呼吸器管理となるリスクが7倍

<ニューヨークの報告>

60歳未満の患者で、BMI>35はBMI<30と比較し集中治療室に入るリスクが3.6倍

 

まだまだ報告は少ないですが、今後増えるでしょう。

現状エビデンスは乏しいですが、おそらく肥満はCOVID-19で重症化するリスクだと思われます

 

*「エビデンスが乏しい=関連性がない」という訳ではない、ということを示す良い例です

 

一方、肥満者がそもそも感染するリスクが高いか、というのは別の問題です。

これは如何に暴露するかなので、あまり関係ない気もします。

 

★大事なので繰り返します。

肥満はCOVID-19の重症化リスクとして認識されてきている。感染するリスクとしてではなく。

 

 

なぜ肥満が重症化と関連するか:機序

なんで肥満がCOVID-19の重症化と関連するか、どう説明されるのでしょうか。

これはいくつか、医学的に妥当と思われる機序が考えられます。

 

<心肺機能不全リスク>

お腹が肺を下から圧迫します。すると、肺の機能が落ちます。

…具体的には、肺活量・1秒率が低下し、横隔膜の収縮力も低下します。

→肺炎になったときの呼吸予備能が低くなる=呼吸状態悪化をきたしやすい、ということです

 

特にアジア人はBMIが低くても、脂肪が貯蓄されやすい傾向にあり、結果挿管やリハビリなどに支障をきたしやすいです

 

✔肥満は血圧上昇、インスリン抵抗性→糖尿病と関連します

+血栓が形成しやすくなります

→COVIDとなったときに心肺への負担が増える+DICになりやすいです

 

<免疫機能不全リスク>

✔肥満者は炎症が高いです

…これは脂肪細胞によりサイトカインやアディポカインの発現を増加させるからだったり、色々理由があります

→COVIDでの炎症がより悪くなる可能性があります

 

✔肥満者は獲得免疫が正常に機能しないかもしれません。

...これはインフルエンザ感染についての報告に基づいています

 

✔論文中では、肥満者はウイルス排出量も多いと言及されていますが、理由は不明です

 

 

解釈は?

健康な食事、運動をして肥満をなくそう、ということです。

 

コロナ太りは “lockdown cost of weight gain”と表現されています。

更に、経済が落ち込むことによる生活習慣の悪化、肥満リスクの増加が懸念されています。

 

肥満とパンデミックはお互いがお互いを増悪させる「負のサイクル」にあります。

結局食事・運動です。

 

ではまた。

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