新型コロナウイルス感染+ST上昇型心筋梗塞の症例

誰しも気になる、新型コロナウイルス感染+ST上昇型心筋梗塞の症例。

特に循環器内科医は気になって寝れないと思います。

NEJMよりcase seriesが出たのでこれを紹介します。

 

 

新型コロナウイルス感染+ST上昇型心筋梗塞の症例

新型コロナウイルス感染+ST上昇型心筋梗塞の症例

ニューヨークより、新型コロナウイルス感染+ST上昇型心筋梗塞の18症例を紹介(N Engl J Med. 2020;10.1056/NEJMc2009020.)。

 

普通感染症に伴う急性心筋梗塞はtype 2 MIが多く、ほとんどのtype 2 MIはST低下型です(心筋梗塞の種類についてはこちら)。

一方ST上昇したら普通は冠動脈閉塞を疑うわけですが、コロナウイルス感染症では実際どうだったんでしょうか。

 

✔まず症状ですが、18例中胸痛があったのは6名でした。

たった33%。

AMIっぽいST上昇(focalな上昇)は14名

エコーでregionalな壁運動低下は6名に認められました。

 

✔カテをやったのは9症例。

そのうち冠動脈閉塞を認めたのは6例

PCIをやったのは5例。

 

✔死亡率は高く、18名中13人が院内死亡しました。

 

 

心電図はSTEMI

そんなことあるんか、と思って心電図を見てみると(supplemental Figures)、確かに皆STEMIっぽい。

これみてカテやったのが9症例というのは少なく感じます。

まあNYCの状況ですから仕方ないと思いますが。

 

トロポニンの経過も、ほぼ全員冠動脈閉塞を原因とするSTEMIっぽい感じです。

数名そこまでトロポニンが上昇していませんでしたが、他は結構な値まで行ってます。

 

*釈然としないのは、18例のうち10例をnon-coronary myocardial injuryとしている点です。

カテしないで、どう判別したのでしょうか?エコー??

詳細は論文には書いてませんでした。

心電図とトロポニンの経過をみると、coronary obstructionっぽい気がしますね。。

 

 

論文の解釈は?

case seriesなので、「こういう症例がいました」レベルの話です。

ST上昇した患者は死亡率が高い、ということは言えそうですが、そんなの当たり前ですね。

初めての報告だから価値があるのでしょう。

 

なぜコロナウイルス感染で(冠動脈閉塞を原因とする)STEMIになるのか。

推測ですが、感染を契機に心筋の酸素需要が高まってplaque ruptureかerosionが起こったんでしょう。運動を原因としてAMIが起こるのと似た機序な気がします。

簡単に確かめようがないし、確かめる必要もないですが。

もしくは冠動脈への感染ですが、、、その可能性は少ないでしょう。

 

 

結論

新型コロナウイルス感染症でもSTEMIがおきえて、予後が悪い。

ではまた。

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