どうやったら教授になれるの?インパクトファクター?【疫学研究】

どうやったら教授になれるのか、研究者なら誰しも気になる所ですね。

日本ではインパクトファクターは重要だと言われる事が多いです。

しかし色んな所でローカルルールがあり、いろんな噂がありますが、はっきりとした見解は明らかになっていません。

そんな中、British Medical Journalという医学雑誌に、世界中の基準をまとめて比較した研究が掲載されました。

これを解説してみました。

 

 

どうやったら教授になれるの?

どうやったら教授になれるの?

研究者をやっていると、多くの場合、自然と出世、教授職を目指すことになります。

大学によっては、教授となる基準を公表していますが、大学によっては全くそれが曖昧です。

今まで、一定の評価基準を科学的に見つけようとする試みが行われてきましたが、はっきりとしたエビデンスはないというのが結論でした。

 

これを改めて調べ直したのが今回紹介する研究です(BMJ 2020;369:m2081)。

 

*traditional criteriaとnon-traditional criteriaに分けて評価したのがポイントです。

<traditional criteria>

論文数やインパクトファクターなど、従来の指標

<non-traditional criteria>

・引用数、data sharing、open access雑誌など新しい指標

 

 

どういう研究?

Leiden ranking of universityに載った854施設の中で、ランダム20%を対象としました。

(学部はmedicine, biomedical sciences, life sciences, health sciences, or medical sciencesのいずれか)

→ホームページから教授となる条件を抽出、ない場合は内部に調査を行いました。

 

結果、92大学の昇進ガイドラインが対象となりました。

アジア50校、ヨーロッパ54校、北アメリカ29校、南アメリカ6校、オーストラリア6校、アフリカ1校です。

 

 

結果:やはりインパクトファクターか

assistant professor(講師)、associate professor(准教授)、full professor(教授)というカテゴリーで分けて、質問ごとにみていきます。

%は対象となった大学の割合です。

 

<traditional criteria>

・論文数の基準があるか?

講師:80%、准教授:96%、教授:95%

・Authorshipについて基準があるか?(firstとかlastとか)

講師:22%、准教授:34%、教授:35%

・インパクトファクターについて基準があるか?

講師:24%、准教授:30%、教授:28%

・獲得したグラントについて基準があるか

講師:53%、准教授:63%、教授:67%

・研究が国際的に認められている、という基準があるか

講師:22%、准教授:33%、教授:47%

 

<non-traditional criteria>

・引用数について基準があるか?

講師:24%、准教授:29%、教授:28%

・data sharingについて基準があるか?(何%の研究のdataをopenとしているか)

講師:2%、准教授:1%、教授:1%

・open access雑誌への投稿数について基準があるか?

講師:0%、准教授:0%、教授:0%

・研究のregistrationについて基準があるか?

講師:0%、准教授:0%、教授:0%

・その他、sharing researchについて基準があるか?

講師:6%、准教授:4%、教授:2%

・employment leaveについてはっきりした規定があるか?

講師:45%、准教授:35%、教授:35%

 

non-traditional criteriaがある傾向は、特にオーストラリアの6施設に顕著でした。

 

教授(full professor)の基準については、全部で81大学にガイドラインがありました:

authorship orderについて:35%

インパクトファクター:27%

グラント:68%

「国際的に有名である」」47%

employment leaveについてはっきりした規定:28%

適応能力など:36%

 

*インパクトファクターの基準の詳細とは論文に記載されていませんでした。各大学のホームページ参照。

 

 

つまり?

大体はtraditionalな基準、つまり論文数やauthorship、グラント、国際的認知度がガイドラインとなっているということでした。

引用数は一定の大学で重要

 

こうやって系統的に調べた研究は珍しいですね。

ただ、大学によって全く異なるので、そこまで面白い結果では有りませんでした。

著者らはnon-traditional criteriaとしてopen access, registration, data sharingなどの項目を挙げましたが、それは基準とはなってませんでした(実際聞いたことないですよね)。

*今後大事になってくるかもしれません。

 

日本の場合結局政治だったりしますが。

一応ガイドラインはあるということですね。

 

ちなみにハーバードの医学部は、「世界的に認められている」という基準が絶対的だそうです。

 

ではまた。

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