バズってしまったコロナに関する非科学的な事項の数々【まとめ】

コロナのせいで、よくも悪くも、科学(疫学)に関心を持つ人が増えました。

国のリーダーやメディアも注目しています。

でも残念ながら、科学の裏付けがない事項をよく目にします。

これは由々しき問題です。

どんな事例があったか、まとめてみました。

 

 

バズってしまったコロナに関する非科学的な事の数々

バズってしまったコロナに関する非科学的な事の数々

思い返せば色々ありました。

国や自治体のリーダー、メディアが大々的に報道してしまったせいで、多くの方に誤った情報が伝わった事例。

これは日本だけでなく世界で問題となっています。

それを受け、今までの事例をまとめた論文が発表されました(JAMA. 2020;324(5):443-444.)。

日本での事例も合わせて、振り返ってみます。

 

 

コロナ治療薬に関する誤報

今やレミデシビルが治療薬の位置を築きましたが、それに至るまで数多くの研究が発表され、誤報されてきました。

いくつかみてみましょう。

 

レムデシビル

・4月の上旬、レムデシビルで治療された53人の経過をまとめた報告が発表されました。コントロールと比較すらされていない、ほぼ情報量のない研究なのですが、ギリアド(レムデシビルの製薬会社)のプレスリリースでは

・”Remdesivir treatment resulted in clinical improvement”

と因果関係を示唆するものでした。

誇大広告。

 

このような事案沢山ありましたね。

レムデシビルは結局治療薬になったから良かったのですが・・・・

 

 

ヒドロキシクロロキン

最初は3月20日に発表された、40人弱の観察研究でした。

FDAは治療薬としての治療を緊急承認(このレベルの研究で承認とは普通ありえません)。結果、6300万錠を備蓄しました。

さらにトランプが「予防内服している」と発表、混乱を呼びました。

その後たくさん研究が行われ、治療効果は無いだろうというのが、現在のエビデンスです。

 

*ヒドロキシクロロキンに関する研究で、大規模な研究不正が行われました。詳細はこちら

 

 

ステロイド    

イギリスが行った大規模ランダム化試験で、少量デキサメタゾンの治療効果が発表されました。

これはかなり大規模な研究で結論はたしからしいのですが、肺炎やSIRSに対するステロイド治療の有効性はかなり多くのランダム化試験が行われてきており、メタ解析では有効性なしと結論されているのでした。

→なので、新型コロナにだけは効く、という結論はやや信じがたい話です。

さらなる研究が必要なのですが、

・WHO:”lifesaving scientific breakthrough”

・New York Time: “common drug reduces coronavirus deaths”

ということで、ステロイド=有効な治療、という認識が広まりました。

*この記事で説明しています

 

 

日本でのエセ科学情報

日本でも色々ありました。

いくつか思い出してみました。

 

イソジン

最近のことです。大阪府知事が「うがい薬のイソジンが重症化を抑える。嘘みたいな本当の話」という内容を発表、イソジンが買い占められ、10倍の価格で転売される自体に陥りました。

でも、そもそもうがいの効果がわかっていない上に、うがいをするにしても水とイソジンどちらが良いのか、結論されていません。

実は、これは唾液中のコロナウイルス量が減ったという観察研究に基づいているそう。論文はまだ出ていません。

それを曲解しちゃいました。

府知事というより、研究者側が正しく情報伝達しなかった事が問題と思われます。

 

うがいに関してはこちらの記事でエビデンスを確認ください。

 

 

ビタミンC、ビタミンD

3月ごろ、ビタミンCやビタミンDのサプリが効く、と話題に登りました。

なんとなく効きそう、というので広まった噂だと思います。

✔ビタミンCについては全くのデマです。ビタミンCサプリを飲むべき状況はかなり限られています。詳細はこちら

✔ビタミンDについては、強固なエビデンスはありませんが、上気道感染を予防する可能性は言われています。

→今VITAL studyという大規模なランダム化試験のサブ解析が行われており、その結果「かぜを予防する」と結論されれば、その立ち位置がはっきりするでしょう。

→ただ、ビタミンDが足りていない人は結構いて、彼らがサプリを服用するのはbenefitが大きいと思われます。特に骨の健康について。

こちらでエビデンスを確認下さい。

 

 

次亜塩素酸

ノロウイルスの除菌に使われる薬です。かなり強力なので、実際多くのウイルスを殺します。

でもどう使うか?空気中に散布するという使用法が広まりましたが、それはかなり危険です。

・ウイルスを殺すほど強力な薬を吸い込んでしまうのは、人体に危害が及ぶ可能性があります

・そもそもコロナウイルスがどの程度空気感染するか、わかっていません。基本的な伝達経路は飛沫感染です(なのでsocial/physical distanceなわけです)

・空気中のコロナウイルスにどれくらい効果があるか不明です。おそらくあんまり効果ありません。ノロウイルスは、次亜塩素酸入りの洗剤でゴシゴシこすってようやくウイルスを殺せる、程度です。空気中で次亜塩素酸とウイルスが触れ合うだけでウイルスが死ぬことは、常識的にあまり期待できません。

 

空間除菌剤

あの、首に下げるやつです。

当然意味ありません。というか、何を根拠に効くとしているか不明。

繰り返しますが、万が一空気中のウイルス量を減らせたとしても、ほとんど意味ありません。だって主要な感染経路が飛沫感染だから。

 

 

なんでこんな事が起きる?

許せないですよね。

特にこれらの件で金を儲けている事業者。

悪徳・情弱ビジネスです。

 

なぜ多くの人が騙されるか。いくつか考えられます。

「疫学」という研究分野が日本に浸透していないから

日本は歴史的に基礎研究が強いですが、人を対象とした疫学研究には弱いです。公衆衛生大学院も全然存在感がありません。

→科学の中でも疫学を知らないと、「〇〇が☓☓に効くか」という意味を解釈できません。

 

要素還元主義が根付いているから

この記事で説明していますが、要素還元主義=「木を見て森を見ず」が多くの日本人の考え方に染み付いています。断念的な情報=決定的な根拠、と思ってしまいます。

→日本だけの問題でありません。例えば、「インタビュー」が効果的な宣伝方法として世界中で用いられていますが、インタビューこそほとんど情報ありません。その人の効果が他の人に当てはまるわけありません。

 

メディアがスポンサーに流す情報をコントロールされているから

twitterで科学的な意見を持つ方の発言を参照すると、テレビ番組では発言内容がコントロールされているよう。意向に従わないと出演できないそうです。

→おそらく色んなしがらみがあるんだと思います。詳細は不明。

→テレビはだめですね。

 

 

結論

色んな理由で、科学的でない主張がまかり通ってしまっている。

Twitterでは、そういうたびに色んな医者が反論しているので、批判的に情報収集できるかもしれません。

ではまた。

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