Effect modificationとは?Interactionとの違いとは?

Effect modificationとInteractionは、独学で臨床研究や疫学研究を勉強されている方で、意味がわかりにくい所です。よく、一流医学誌に載るランダム化試験の、最後のFigureに書いてあるやつです。

この記事では、Effect modificationとInteractionの概念と計算法、注意点について、わかりやすく説明しました。これを理解すると、論文を読む時に、その解析を具体的にイメージできるようになります。

 

Effect modificationとは?

Effect modificationとは?

言葉のとおり、Effect(作用)がModify(変化)されることです。

例えば、オメガ3脂肪酸サプリの心血管疾患に対する影響を調べたランダム化試験を考えます(N Engl J Med 2019;380:23-32.)。ここでいうEffectとは、オメガ3脂肪酸のサプリによる心血管疾患発症率への効果をいい、ハザード比が0.92でした。

 

ここで、「オメガ3脂肪酸って魚の油だから、魚を食べている人にはサプリの効果が少ないんじゃないの?」という最もらしい疑問が浮かびます。

オメガ3脂肪酸の心血管疾患への効果(Effect)が、普段魚を食べているかいないかで異なる(Modification):これをEffect modificationといいます。

 

実際この論文ではその解析が行われています。平均して魚を食べるのが週に1.5回未満の人でのハザード比は0.81、1.5回以上では1.08でした。1未満だと心血管疾患のリスクが低くなることを意味するので、reasonableです。そして、その検定のp値が0.045であり、有意なEffect modificationであることが示唆されました。

Effect modificationについては理解頂けたでしょうか。次に、Interactionを解説します。

 

Interactionとは?

よっぽど専門で無い限り、Interaction = Effect modificationを調べる方法、と考えておけばOKです。

この論文のメインの解析は生存解析=COX proportional modelです(ほとんどのランダム化試験がそうです)。ハザード比、という言葉が出てきたら、COXです。

このモデルを簡単に書くと、こうなります(詳細は別の記事で解説します)。

<生存期間・生存有無>=サプリ使用有無 + 年齢 + 性別

 

統計ソフトに入れる項目は、このモデルだと、生存期間、生存有無、サプリ使用有無、年齢、性別です。これを当てはめると、

<生存期間・生存有無>=0.92*サプリ使用有無 + 0.03*年齢 + 0.1*性別

となり、上述のハザード比0.92が出たというわけです(年齢と性別の係数は適当です)。より具体的には、年齢と性別が同じとしたら、サプリ利用者の右辺 − サプリ非利用者の右辺 = 0.92となり、それがハザード比です。

※ちなみにこれはランダム化試験ですが、年齢と性別で調整しています。この理由については違う記事で解説します。

 

さて、Interactionの検定を行いましょう。

モデルは次のようになります。

<生存期間・生存有無>=サプリ使用有無 + 年齢 + 性別 + 魚を食べる + 魚を食べる*サプリ使用有無

 

魚を食べる + 魚を食べる*サプリ使用有無を追加すればOKです(本当は、魚を食べる*サプリ使用有無を追加すればOKですが、一般的にはこのようにします。下記参照)。

この「魚を食べる*サプリ使用有無」をInteractionといい、そのcoefficientのp値をみて、Interactionが有意か(Effect modificationがあるか)検定されます。

これだけ知ってれば、十分です。

 

Interactionの係数の解釈は?

Interactionがあるということは、魚を食べるかどうかによって、サプリの心血管疾患への影響(ハザード比)が異なる、ということを意味するのでした。

例えば上のモデルを計算して、

<生存期間・生存有無>=0.81*サプリ使用有無 + 0.03*年齢 + 0.1*性別 – 0.2*魚を食べる + 0.27*魚を食べる*サプリ使用有無

 

となりました。すると、

魚を食べる人(魚を食べる =1)では、サプリ利用者の右辺 − サプリ非利用者の右辺 = 0.81+0.27 = 1.08

魚を食べない人では、サプリ利用者の右辺 − サプリ非利用者の右辺 = 0.81

となり、それぞれハザード比が1.08, 0.81となるわけです。

 

つまり、魚を食べる*サプリ使用有無の係数が大きければ大きいほど、魚を食べる人と食べない人でのサプリの心血管疾患予防効果(Effect modification)が大きい、という事を意味します。

 

Interactionのp値の解釈は?

魚を食べる*サプリ使用有無という変数をInteraction termといい、それが0かどうかを検定する(Interactionがあるかどうか検定する)のが、Interaction termの係数のp値が意味する所です。

つまりp値が0.045であったということは、「真実はInteractionが無いかったときに、誤ってあると結論してしまう確率が4.5%だ」という事を意味します。

ここまで理解できれば、完璧です。

 

Interactionの検定(Effect Modificationの検討)の注意点

Effect Modificationを実際に論文で検討する時、かなり重要な注意点が3つあります。

①Multiple testing

普通、Effect modificationの原因として考える因子(Effect modifier, 上述の例でいう「魚を食べること」)は、複数あります。事実、この論文でも13個の因子を検討しています。

すると、p<0.05を有意と考える=5%の確率で「真実はInteractionが無いかったときに、誤ってあると結論してしまう」ことを意味します。13回この検定を行っていると、本当はInteractionがないのに、by chanceでpが低くなっており「Interactionあり」と結論されているだけかもしれません。

Bonferroni correctionやFDRで修正するのは一つの方法です(有意な所見がかなり少なくなりますが)。ランダム化試験であれば、デザインの段階で事前に「何の因子でEffect modificationの検定を行うか」明確にしておくことが肝要です( N Engl J Med. 2007;357(21):2189–2194.)。

 

②Powerが低い

Interactionの検定は、統計的なpowerがかなり低くなることが知られています。Powerが低い=「本当はInteractionがあるのに、p>0.05で誤って無いと結論してしまう確率が高い」ことを意味します。retrospectiveに解析してみると、実際なかなか有意な所見は得られません。参加者25000人のこのVITAL trialでも、13個のPotential effect modifierの内、「魚を食べること」しか有意な所見が得られていません。Powerが低いことはサンプルサイズを増やすしか克服する術がありませんが、25000人でも十分でないかもしれません。

 

③Generalizabilityがない

ランダム化試験は、そのオメガ3脂肪酸とプラセボ群が同じ性質を持っていることが推定されるので、より大きな母集団に一般化できる所見として考えられます。

しかし、「Effect modificationがある」という結論は、対象とした集団がどのようなものかに依存します。Generalizabilityがない、外的妥当性がない、といいます。数学的な証明は難しいですが、極端な例を考えてみれば理解可能です。

例えば、上記のVITAL試験が、魚を食べる人が一人もいない25000人を対象にしたものだったと仮定します。メインの比較は、ランダムにオメガ3脂肪酸サプリかプラセボを飲んだ人のフェアな比較で、信頼のおける結果です。しかし、「魚を食べる人」という因子が全員0なので、「魚を食べる*サプリ摂取有無」というInteraction termの係数は、絶対に0となります(p=1となります)。なぜなら、全ての人において、魚を食べる*サプリ摂取有無 = 0だからです。つまりこの集団では、Effect Modificationがあると結論されることは、100%ありません。

もし魚を食べる人と食べない人が半々の集団なら、Interactionのp値は低くなります。母集団に依存する、一般化できない(外的妥当性がない)という意味です。

 

この3点を抑えておけば、とりあえずはOKです。

 

より詳細には・・

COX proportional modelでのInteractionは、「ハザード比が〇〇倍となる」という意味で、multiplicativeなEffect modificationと言います。一方、「ハザード比が〇〇増える」というAdditiveなEffect modificationも、もちろんあります。COX modelでAdditiveなEffect modificationを検定する方法もありますが、複雑です。ロジスティックモデルでも同様です。

線形モデルでは、いわゆるInteraction termは、AdditiveなEffect modificationを検定する事となります。線形モデルでMultiplicativeなEffect modificationを検定する方法もありますが、複雑です。普通の医学誌レベルでは検討されません。

 

結論

Effect modificationとは、「〇〇によって、メインの効果量が異なること」を意味します。

Interactionは、Effect modificationの検定方法です。

Interactionを確かめる際は、multiple testing問題、power不足、generalizabilityがないこと、の3点を覚えておきましょう。

ではまた。

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