予防医学はまだまだ発展途上です。
何をすればよいか(野菜食べる、禁煙するなど)ほとんど分かっていると思いきや、そうでもありません。
この記事では、最近発表されたガイドラインから、心血管病予防に関してまだわかっていないことをリスト化してまとめました。
Contents
予防医学でまだわかっていないこと
最近2021年のヨーロッパ心臓病学会予防医学ガイドラインが発表されました。
百ページ以上のものですが、ここでは「knowledge gap」、すなわち「まだ分かっていないこと」を要約しようと思います。
これからの研究の指針となりますので大事です。
*抜粋です
リスク予測
・国ごとの予測モデル:特に心血管病既往、糖尿病患者が対象
・SESや人種、精神的な要素、frailty、様々なバイオマーカーをモデルに組み込む
・polygenetic risk scoreの意義
・risk-guided treatment vs. treatment benefit-guided treatment
・超高齢者(85歳以上)のリスク、管理方法
介入因子
・家族歴はなぜ悪い予後と関わるか:直接的か、SESや遺伝などを買いするかなど
・CKD:アルブミン尿以外のバイオマーカーによる早期予測
・AF:脳卒中以外の予後改善のための介入法、そもそもCVDの原因か、sinusになっても脳卒中となるのはなぜか
・心筋梗塞によるHFrEFのLDLのターゲットは、一般的な二次予防のターゲットと同じで良いか
・癌予防によるCVD予防効果
・COPDがなぜCVDのリスクとなるか
・最近の抗炎症薬によるCVDリスクへの効果
・インフルエンザワクチンのCVDへの効果、HIVとCVDの因果関係
・偏頭痛とCVDの関連
・睡眠障害、精神疾患、NAFLDを予測モデルに組み込む
・勃起障害のスクリーニング法、その場合のCVD評価法
・性別に関わる色々
個別効果
・運動ーCVDについて性別、年齢、体重、人種、職業、SESによるeffect modification
・長期的に運動継続させる介入
・mHealthによる運動への介入
・健康に良い食事を継続させる介入
・良い体重を維持する介入
・禁煙(指導)をよりうまく臨床につなげるか
・LDL <55mg/dLを一時予防でもやるべきか
・低ー中リスクの方、高齢者での脂質治療薬の有用性
・中性脂肪、HDLをターゲットとした治療法の開発
・食事やサプリによる脂肪改善は予後に関連するか
・境界型高血圧に対する降圧薬の意義
・超高齢者、フレイルの方への高血圧の治療法
・降圧薬の認知機能への効果
・いかに降圧薬のアドヒアランスを高めるか
・性別別の血圧目標
・糖尿病患者でSGLT2阻害役とGLP1作動薬の組み合わせによる予後への効果
・かなりリスクの高い人にたいする血小板薬の一次予防効果
・家での心臓リハビリ(とmHealthの役割)
・大気汚染に関する個人レベルの研究
・無症候性のCADに対する血小板薬の効果
・出血リスクが高いCAD患者に対する血小板薬の投与法
・HFpEFの治療
・HFrEF女性の治療dose
・DAPT, 降圧薬、脂質治療薬のよりよい投与法
・PADに対する血小板薬
・CKD患者に対するCVD予防一般
・睡眠時無呼吸の治療とそのAFへの効果
・色々な治療法のアドヒアランスをあげる方法
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以上です。
これらに関する研究をすると、インパクトが高いです。
ではまた。