ConfoundingとSelection biasの違い

Confounding(交絡)とselection bias(選択バイアス)、どちらもsystematic biasの原因となる構造です。

この違い、当たり前のようで、実はわかりにくいのです。

この記事を読んで、はっきりとさせましょう。

 

ConfoundingとSelection biasの違い

ConfoundingとSelection biasの違い

selection bias、「selection」による「bias」と解釈している方、多くないでしょうか。

残念ながら、それは正確ではありません。

これから説明していきますが、この定義ではConfoundingと区別できない状況が多々でてきます。

 

ここでは、Modern Epidemiologyという教科書の定義に基づきましょう。

 

Modern Epidemiologyに基づく正しい定義は:

・Confounding:exposureとoutcomeの共通の原因を「調整しないこと」によるバイアス

・Selection bias:exposureとoutcomeの共通の結果を「調整していること」によるバイアス

これです。

 

具体的にみていきましょう!

 

典型的なConfounding

飲酒と心筋梗塞の因果関係が知りたい。

=酒を飲むことで心筋梗塞のリスクが上がるか?

=禁酒すれば心筋梗塞のリスクを下げられるか?

 

今飲酒していると心筋梗塞の相関関係はある。

が、、

男性が飲酒をしている割合が多く、男性が心筋梗塞のリスクが高いから、「男性」という因子を介して「飲酒と心筋梗塞の相関関係がある」だけかもしれない。

 

これが典型的なConfoundingです。

男性、という因子はConfounderです。

*ConfounderによるバイアスをConfoundingと言います。

 

この構造をより詳細に解説すると、

・「男性」が「飲酒」の原因である

・「男性」が「心筋梗塞」の原因である

ということを前提としています。

つまり、

Confounderは、exposure(=飲酒)とoutcome(=心筋梗塞)の両方の原因である

のです。

 

Confounderがある場合、それで調整しないと、バイアスのかかった結果となってしまいます。

 

*ポイントは、「exposure→outcome」という因果関係(原因-結果の関係)を示すために、「confounder→exposure」、「confounder→outcome」という因果関係を知っておく必要性がある、ということです。

→そんなのできっこないと思いませんか?僕はそう思っています。

 

 

典型的なSelection bias

exposureとoutcomeの条件により研究対象がselectionされた時に生じるバイアス。

Berksonという人が最初に記述したバイアスの構造で、Berksonian bias、と言われます。

 

アスピリン投与により胃がんのリスクが上がるか?

と巷で言われています。

これは、アスピリンにより胃出血が促され、それを契機に胃カメラが行われ胃がんがみつかる、という臨床的経験にマッチする、と考える臨床医が多くいます。

でもそれは、アスピリンにより胃がんが発生したのではなく、ただ胃がんが見つかるのが早まっただけでは?

*これをdetection biasと言います。

「アスピリン→胃がん」という因果関係を確かめるにはどうしたらよいか?

 

ある権威が、こう考えました。

コントロールを胃ポリープ患者として、胃出血を来した患者を対象にcase-control studyを行えば良いんでないか。

これの誤りに気づけた方は、Berksonian biasが分かっています。

 

まず、胃出血を来しているということは、アスピリンを使っている可能性が高いです。

そして胃がん患者は、胃ポリープ患者より、出血をきたす可能性が高いです。

すると、

アスピリンを使っている人は出血を来し、出血を来している人が対象の研究のため彼らは胃がんを持っている可能性が高い

というバイアスの構造が生まれます。

 

じっくり考えると、

・胃出血はアスピリンの結果

・胃出血は胃がんの結果

ということで、exposureとoutcomeの結果を調整していることにより、バイアスが生じたこととなりますね。

これがselection bias。

 

つまり、両方の結果は調整されてはいけない、ということなのです。

 

*lost-follow-upによるバイアスもselection biasの一つです。

これは少し変わっており、「exposureの結果」かつ「lost follow-upしやすい性格という結果」で調整されたことによるバイアスです。

これがバイアスとなるためには、「lost follow-upしやすい性格」がoutcomeの原因にならなくてはなりません。

 

 

これはselection bias?

肥満と外傷の関連性を調べたいとします。

日体大の卒業生のコホートでこれを検討しました。

色々な交絡因子は調整した。

これはOK?

 

これが質の高い観察研究だとしたら、日体大の卒業生に対しては当てはまる結果となりますね。

でも、日本人全体には、当然当てはまりません。

なぜか?

 

日体大の卒業生は、活動量が多いので、当然肥満である可能性が低い。

日体大の卒業生は、活動量が多いので、怪我=外傷のリスクが高い。

つまり研究対象を日体大の卒業生に絞っているということで、

肥満と外傷の関連性がunder-estimateされてしまうバイアスが生じている。

 

これはSelection bias?

いや。

「活動量」というexposureとoutcomeの共通原因を調整していないことによるバイアスです。

つまりConfounding、というわけですね。

*selectionによるbiasなのですがselection biasでない、という例でした。

 

 

まとめ

Confounding:共通の原因を調整しないことによるバイアス

Selection bias:共通の結果を調整してしまっていることによるバイアス

ではまた。

-疫学・臨床研究

Copyright© Riklog , 2021 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.