科学に基づく健康・医療・予防

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果物は毎日最低200g食べること【ジュースは🆗か】:科学的根拠まとめ

果物は「美味しくて健康によい」最高の健康食品です。

これを裏付ける科学的根拠が無数にあります。

この記事では、

「果物はどう健康によいか」

「どれくらい食べたら良い?200gの根拠は?」

「100%ジュースは健康的か」

「ドライフルーツは健康的か」

といった疑問に科学的見地からお答えします。

これを期に、「正しく」普段の食生活に果物を取り入れてみては!

 

 

フルーツの持つ健康効果

 

実に色々な種類のフルーツがありますよね。

それぞれが含む栄養素もかなり異なります(参照:栄養素の観点で健康効果は語れません)。

しかしどの果物も健康的で、疫学研究としては「果物の総摂取量」として評価したものが多数を占めます。

日々の食事の目安としては、総摂取量で考えていただいて全く問題ありません。

 

*「なぜ果物が健康に良いか」は大事?

カリウム(この記事参照)、食物繊維(この記事参照)、各種ビタミン/ミネラル(特にビタミンCビタミンE)など「健康によい」栄養素を豊富に含むからです。

ただし「単一の栄養素」では、果物の健康効果を説明しきれません(何の食事でもそうです)。

果物それぞれで健康への効果は異なってくるはずですが(そういう研究も多数ありますが)、それは「食事の健康への影響」という大局からすれば微々たるもの。

そもそも果物を総量としてどれくらい摂取しているか、がまず重要なのです(一番健康に直結します)。

 

 

「果物の健康効果」の科学的根拠

実に数千〜数万編の研究論文が出版されています。

全て読むことは不可能です!

よって、最新のメタ解析と主要な個別の研究が重要な情報源となります(研究デザインに関してはこちら)。

ここでは主要な結果を紹介していきます。

 

果物による心血管病・癌予防効果

野菜の記事でも紹介しましたが、2017年のメタ解析が非常に分かりやすいグラフを示してくれています(Int J Epidemiol. 2017;46(3):1029–1056.)。

Int J Epidemiol. 2017;46(3):1029–1056. Figure4より改変

✅果物を1日で200g食べる量を増やすと13%低い心血管疾患罹患率と関連します。

 →この関係性は図のように直線的でありません。

 →でも多ければ多いほど良さそうです。

脳卒中に関しては200gで18%のリスク低下と関連しますが、300g以上摂取すると少しリスクが上向くトレンドが見えます。

 →信頼区間は広いのではっきりした関連性とは言えません。

 

Int J Epidemiol. 2017;46(3):1029–1056. Figure5より改変

果物200gの摂取にて4%の癌罹患リスク低下と関連します。

 →この関連性は割と直線的ですが、心血管疾患と比較して弱い効果です。

死亡率は200gの摂取で15%のリスク低下と関連します。

 →この効果は200-300g程度以上では横ばいとなります。

 

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まとめると

特に0g→200gで果物の強い心疾患予防・癌予防効果が期待でき、それ以上摂取すると更なる効果が期待できる

となりそうです。

 

 

野菜より果物?

なんと、野菜より果物に強く認められる健康効果があります!!!!

 

✅フルーツ摂取量を100g/day増やす毎に、メタボリック症候群を3%予防する効果がありました(Br J Nutr. 2019;1–11.)。

 →同研究では野菜による予防効果は有意でありませんでした。

 

✅フルーツを100g多く摂取することで、現在喫煙者と過去喫煙者とも肺がんの発症率を4-5%減らすことができそうです(Nutrients. 2019;11(8):1791.)。

 →野菜の効果は喫煙者に限定されていそうでした。

 

✅一方、肝臓がんはフルーツによる予防効果は明らかでありませんでした(Food Funct. 2019;10(8):4478–4485.)。

 →野菜には有意な予防効果がありました。

 

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野菜と果物は栄養素が異なり、どちらもある程度独立に健康効果が期待できます

つまり、どちらかというより、野菜も果物も十分に食べる事が重要です。

 

 

野菜または果物

Int J Epidemiol. 2017;46(3):1029–1056. Figure6より改変

 

野菜または果物の摂取量が1日200g増えると10%低い死亡率と関連します。

 →この関係性は図のように直線的ではありませんが、食べれば食べるほど効果がありそうです(Int J Epidemiol. 2017;46(3):1029–1056.)。

 

野菜又は果物を1日5回以上食べることで、1日3回以下に人と比べ、脳卒中のリスクが26%低いかもしれません(Lancet. 2006;367(9507):320–326.)。ちょっと古い文献です。

 

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当たり前ですが、、、、

野菜も果物も沢山食べることが大事です。

 

 

ランダム化研究のエビデンス

上に紹介したメタ解析は観察研究のもので、はっきりと因果関係は言えません(詳細こちら)。

そこで重要なのはランダム化研究のエビデンス。

最新のランダム化試験のメタ解析を紹介します(Nutr Rev. 2020 Jul 1;78(7):532-545.

 

・「フルーツの摂取量を増やすだけ」という介入を検討したものはあまりなく、「フルーツを1日3serving以上食べる+その他もろもろ生活習慣の改善」という介入の効果を検証したものです。

・中性脂肪が9mg/dl程度の減少、拡張期血圧2mmHg程度の減少に寄与しました

・LDLコレステロール等、他の指標もちょっと改善しました

・1日3 serving以上を5 serving以上としても、追加効果はありませんでした(が検証している研究が異なるのでなんとも言えません)

 

ランダム化研究で言えることは「短期」のアウトカムであり、それが心血管疾患のリスクとなるバイオマーカーなのです(健康の定義、参照)。

よってこれが改善するということは、引いては心血管疾患の発症も抑制するかもしれない、ということを示唆します。

 

*でもこれだけみると、大した効果ではないですよね。

結局食事の健康に対する因果関係を言うのは難しくて、実際その点議論がある領域でもあります。

ただ、フルーツは健康に良いだろうというのは専門家間でほぼ一致している考えです。

 

 

他の疾患

心臓病や癌、死亡率以外にも、色々な疾患の予防効果が示唆されています。

 

✅2型糖尿病の低い発症率と関連しました(Nutr Rev. 2019;77(6):376-387.

 →「果糖」が入っているにもかかわらず、と言う点が面白いですね。

✅炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)の低い発症率と関連しました(Adv Nutr. 2020:nmaa145.

 

などなど。

 

 

果物200gってどれくらい?

以上より、

最低毎日200g。できればもっと果物を食べよう!!

という目安となるのでした。

 

では200gってどれくらいでしょう?

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👇

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リンゴ🍎1個

なし1個

いよかん・デコポン・グレープフルーツ1個

ぶどう🍇1房

みかん🍊🍊2個

バナナ🍌🍌2本

もも🍑🍑2個

キウイ2個

びわ6個

さくらんぼ🍒40粒

 

だそうです。

 

例えば、

・朝にバナナ1本

・夜食にりんご半分

でOKです。

 

これを毎日続けることが大事!!!!

 

参照:毎日くだもの200グラム運動指針

 

 

フルーツジュースは健康的?

 

フルーツが健康に良いならフルーツジュースも良いだろう、とは残念ながら言えません

 

▷ジュースはむしろ健康に悪いことが示唆されています。

✔質の低いメタ解析ですが、フルーツジュースは2型糖尿病発症と関連することが示唆されています(BMJ. 2015;351:h3576.)。

✔砂糖入り飲料とカテゴリーすることもあります。

 →そこまでは健康に悪影響を及ぼすとは言えなさそうですが(詳細はこちら)。

 

★製造過程で

・様々な添加物が混入すること

・元の食物繊維が細かく分解されて吸収可能となってしまう=砂糖の振る舞いとなってしまう(参照こちら

ことなどから、ジュースはフルーツとは異なります。

 

 

100%ジュースだったら?

▷しかしながら、100%フルーツジュースは、そこまで健康に悪くないかもしれません。

 

✔ランダム化研究のメタ解析ですが、100%フルーツジュースは血糖値に影響を与えませんでした(J Nutr Sci. 2017;6:e59.)。

✔コホート研究のメタ解析では「エビデンスが足りず解析不能」でした(Crit Rev Food Sci Nutr. 2021;1-12.

 

ただ、長期アウトカムへの影響は、そこまではっきりしていません。

 

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ジュースに関してすごくはっきりした結論はでていませんが、間違いなさそうなのは、

・ジュースでなく、生の果物が良い。

・飲み物は緑茶紅茶コーヒー・水が良い。

ということです。

 

 

ドライフルーツや缶詰は健康的?

 

フルーツが健康に良いならドライフルーツも良いだろう、と言えるのでしょうか。

科学的根拠をみてみましょう。

 

2019年、9つのコホート研究のメタ解析が発表されました(Adv Nutr. 2019;nmz085.)。

✅伝統的なドライフルーツ(レーズン、プルーン、デーツ)を1日3-5 servings以上食べる人は、殆ど食べない人と比較し、前立腺癌発症率が49%、膵癌による死亡率が65%低い結果となりました。

研究数が少なく、研究間のバラツキも大きいため、強く信頼できる結果とは言えませんが、ドライフルーツによっても疾患予防効果が有る可能性が示唆されました。

 

ドライフルーツも健康に良いかもしれません。

 

一方、フルーツの缶詰は健康に悪いかもしれません(Nutr Rev. 2019;77(6):376-387.)。

死亡率と糖尿病発症に関して、生のフルーツやドライフルーツ摂取は逆相関関係にありましたが、缶詰のフルーツや加糖されたフルーツジュースの摂取は相関していました

 

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食品は「加工」すると、基本的に健康へ悪影響が出る方向にかわります。

例えば、肉の中でも「加工肉」が最も健康に悪いです(ソーセージやハムなど):参照こちら

どの程度フルーツを加工すると「健康に悪い食べ物」に転ずるかは、はっきりとしていません。

やっぱり食べられるなら生フルーツ、ドライフルーツが好きならなるべく不添加のものを選ぶとよいです。

 

*上の文献はメタ解析ですが、ランダム化研究が行えない以上観察研究の結果に基づくものです。

結局因果関係を言い切ることはできません(詳細こちら)。

 

 

最も効果的なフルーツの摂取方法

フルーツが体に良いことはよく分かりました。

では何をどう食べたら良いのでしょうか?

 

答えは

「色々、たくさん食べること」

です。

 

なぜなら、特定の果物だけでは健康効果を得るに弱いから。

特定のフルーツに着目した研究を紹介します。

 

 

りんごの効果は?

リンゴと癌の関連をみたメタ解析です(Public Health Nutr. 2016;19(14):2603–2617.)。

 

✅肺がん、直腸がん、乳がんに予防効果があったという結果ですが、この効果は症例対照研究(のメタ解析)で強く認められ、コホート研究(のメタ解析)では関連性が弱かったのです。

✅症例対照研究は一般的にサンプル数が少なく、バイアスが過大評価される可能性が高いです。

 →つまり、より信頼性が高いとされるコホート研究では、リンゴの効果は限定的でした。

 

エビデンスは弱いですが、果物一つの種類だけでは健康効果を得るに弱いのかもしれません。

また、特定の果物一つに着目して因果関係を証明するのはかなり難しいです(residual confoundingが強いため)

 

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栄養学的には、色々食べたほうが良いに決まっています。

果物も野菜も、色々、毎日、たくさん食べましょう。

 

*毎日食べるには、それを習慣とする必要があります。

具体的には、

・朝必ず生のフルーツを食べる(バナナヨーグルト、りんご、みかんなど何でも)

・おやつの時、スナックの前に必ず生のフルーツを食べる

・夜食はフルーツにする

などなど、自分でルールを決めると良いです。

 

 

結論

フルーツは野菜同様健康に良い。

できるだけたくさん、様々な種類のフルーツを、毎日食べましょう。

ではまた。

  • B!